長崎放送(令和元年度)
【活動名】平和文学朗読キャラバン
【実施期間】2019年7月
【実施回数】8回
<事業実施の成果・課題>
平和文学朗読キャラバン15年目の今年は、長崎・佐賀県内の8団体(小学校4・中学校2・盲学校1・図書館1)を訪れ、合わせて1,989人の児童生徒の前で平和文学を朗読しました。去年までと合わせると、115団体・16,962人です。
企画の応募状況や、学校を訪れたときの子どもたちの反応、ラジオ・テレビ番組に届くメッセージなどから、当キャラバンの「地域への浸透」を実感しています。
今年は佐賀県の盲学校を訪問し、視覚障害の程度・症状は、生徒によって違うことを知りました。盲学校でもプロジェクターを使用した朗読を行い、参加した生徒からは、ラジオのワイド番組宛にお礼のメッセージが届きました。
<担当者の感想>
被爆から74年経ち、長崎・広島では、語り部(被爆者)の高齢化が進んでいます。子どもたちにとっては、被爆者の「生の声」を聞く機会が減っている状況です。
長崎県内の小中学校は、それぞれ平和教育に力を入れていますが、すでに年長の先生でも「戦後の豊かな時代」しか知らない世代となっています。私たちが行く先々の学校で「語り部の皆さんの高齢化も進んでいるが、教師自身も、原爆へのリアリティを持つことが難しい時代になっている。子どもたちに感じてもらうとなると、尚更難しい」という声をよく聞きます。同じ県内でも、原爆が落下した長崎市から離れた郡部ほど、その悩みは深いようです。
こうした中、アナウンサーが朗読で「平和の尊さ」を伝える意義は、年々大きく、重くなっていると実感しています。使命感とやりがいを感じつつ、今後も長崎・佐賀の隅々まで訪問したいと部内で話し合っています。
<教諭・保育士・子どもたち・参加者の感想>
【教諭】
・「おかげさまで、大変学び多い時間となりました。キラキラと目を輝かせて、お二人の朗読に聴き入る子どもたちの姿を目にして、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。私たち教職員ではない、違う立場の方から語られる平和への熱い思いは、きっと子どもたちの心に深く刻まれたことと思います」
【子どもたち】
・「戦争のことをいっぱい知って、悲しかったけれど戦争のことも授業や平和学習が必要なので、ありがとうございました。戦争は多くの人が死んでいて悲しいことになって、僕はとてもいやだなぁ 戦争はもう2度とやりたくないです。またよろしくお願いします」
・「私達は小学生の時から平和学習を行っていて当たり前のように原爆のことを知っていましたが、戦争自体を知らない若い人が増えてきているというニュースがあったり、被爆者の方が減ってしまって、後に伝える人が少なくなってきているという現状を知り、今日の朗読といった形での活動はすばらしいものだと思いました。 色々な地域へと広がり戦争のことを知り、平和を大切に思う若い人達が増えることを願っています。今日は、今までにない責重な休験をさせて頂き、ありがとうございました」