福島テレビ(令和元年度)
【活動名】福島テレビ 朗読活動
【実施期間】2019年9月~2020年1月
【実施回数】5回
<事業実施の成果・課題>
福島テレビの読み聞かせ事業は、本を楽しく読むだけでなく、「声」に注目しています。より良い声の出し方や話し方のコツ、さらには『読むこと』と『伝えること』の違いの説明を取り入れています。
『体全体を使って出す』=『体は楽器と同じ』という話をしながら、響かせることを意識してもらい、アナウンサーが普段実施している発声練習を子どもたちに体験してもらいました。
体で感じることで、しっかりと声を出すことの大切さや、色々な声の出し方を理解してもらえました。同時に「強弱」「高低」「緩急」「間」など強調の方法を言葉で説明し、それを日常でどう使っているのかを実践することで楽しく学んでもらいました。
担当の教師や学校からは、「授業の朗読でも積極的に手をあげるようになった」との感想を頂戴しています。
画面の中でしか見たことのなかったアナウンサーが直接語り掛けることで、テレビをより身近に感じてもらう機会になっています。
<担当者の感想>
【坂井有生アナウンサー】
活字離れが叫ばれて久しいです。福島テレビの読み聞かせ事業を通じて、「本を読む事はこんなにも世界観が広がり、楽しいものなんだ」という気付きを与えてあげられたらと感じています。
開始当初はなかなか手を上げてくれなかったこどもたちも、中盤・後半と授業が進むにつれて積極的に発言をしてくれたり、生き生きとした表情になっていきます。
私は朗読活動の中で「伝える事は掛け算のコミュニケーションだ」と話し、「伝え手が言いたいことを10割きちんと伝えられ、聞き手が同時に10割を理解できてこそ、初めて100%の内容が相手に伝わる」と説明してきました。だからこそ難しいのだとも。私の説明も、最大でも8×8で64%が伝わった程度かも知れません。
それでも、朗読とは「上手に文字を追うのではなく、聞く人に情景や内容・登場人物の感情を伝えること」と気付いてもらえたならうれしい限りです。それは、きっと本の面白さに気付くきっかけになるはずです。
<教諭・保育士・子どもたち・参加者の感想>
【教諭】
授業内の朗読で、より積極的になってもらおうと思い応募した。ただ文字を追って声に出すだけでなく、間の取り方や声色の変え方など、教師も学ぶ場面が様々あった。児童たちの瞳も輝いていて、画面の中でしか見たことのなかったアナウンサーに指導を受けたことは強い刺激になったと思う。
【子どもたち】
・間を大きくあけるだけで、時間が進むように感じるんだと驚いた。声色が変わるたびに登場人物が変わったことがわかり新鮮だった。
・話を聞いて、将来アナウンサーになりたいと思った。
・使っている声の幅に驚いた。
・アナウンサーの声は通るし、朗読の授業内でも全然噛まないから驚いた。
・本が好きになった。