【活動名】YBCアナウンサーによる読み聞かせ“お話の国”
【実施期間】令和4年10月~11月
【実施回数】会場2回
【事業実施の成果・課題】
以前コロナ禍で制約が多い中でしたが、なんとか会場で実施でき、ホッとしています。(予定していたイベントは一つ中止になってしまいましたが…。)今回は会場での読み聞かせ経験の少ない入社1年目から5年目までの若手のアナウンサーが中心になって行いました。実際に目の前で反応が返ってくることでスピードや間のとり方などを見直すきっかけになったようです。
また、盲学校での読み聞かせは3年目。絵を見せてわかってもらうのではなく、すべてを言葉だけで伝える必要があるため、本の選定から頭を悩ませました。回文は読み聞かせ後も児童生徒が自分で回文を作ってくれたり、気に入った回文を何度もつぶやいていたりと、手ごたえがありました。本との出会いをこれからも継続してお手伝いできたらと思っています。
今後はいかに読み聞かせの回数、時間を増やしていけるかが課題です。学校の授業の一環としてもう少し長い時間、読み聞かせやふれあいの時間を作れるように交渉していきたいと思っています。
【事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想】
内野航アナウンサー
やり取りする中で、子どもたちもノリノリだったので、こちらとしても楽しく読み聞かせ出来ました。皆さん協力的でした。
中川悠アナウンサー
普段の原稿読みやラジオのフリートークでも意識すべき点である『抑揚』や『間の取り方』の大切さを、今回の絵本の読み聞かせを通して改めて感じることができました。また、相手の反応を見ながら読み方に変化をつけることで、聞き手に寄り添った読み聞かせができ、読み手側も楽しめることが分かりました。幼い頃から、妹に本を読んであげる機会はありましたが、どうしても字面を追うだけの一方的な読み方になってしまっていたため、非常に良い経験になりました。次は今回とは異なる年代の子供たちへの読み聞かせにも挑戦し、聞き手に合わせた工夫に努めたいです。
山本倖千恵アナウンサー
盲学校での読み聞かせでは、目が見えない分、耳からの情報は大きなものであると知り、立ったり座ったりするときの椅子のこすれる音やいつもは気に留めない、机に置かれたものでちょっとした雑音をたてぬよう、注意を払いました。すると、「こう読んだらイメージしやすいかな」と私自身の気持ちも乗り、テレビやラジオのスタジオで話すときとは違う文字を音声化する『読む』から『伝える』感覚がおのずと湧いてきました。字面だけでなく改めて音にこだわりを持って、気持ちを添えて届けたいなと思い直せた時間になりました。
松下香織アナウンサー
児童生徒の皆さんの集中力が高く、一緒に本の世界に実際に入り込んだような時間でした。初めに読んだ回文の本は笑いが絶えず、導入として成功だったと思います。「字のないはがき」は戦時中の話で、低学年には難しいかもしれないと思い、できる限りゆっくりと間をとりながら読みました。いただいた感想を見ると年齢にかかわらずそれぞれが何かを感じてくれたようで良かったです。盲学校での読み聞かせは今後も継続したいと思っています。
【教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想】
あ~べ
保護者(子供は2歳)
・子どもが前のめりで聞いていて、楽しんでいるようだった。
・だるまは、子供によく読む本だったが、いつもより聞き入っていた。
・子音がキレイかつ、間を取っていたので、読むときの勉強にもなった。
保護者(子供は、2歳6か月)
・抑揚をつけた話し方、間の取り方が勉強になった。
・何度も読んだことがあり展開も分かっているはずなのに、読む人が変わるだけで普段と違う子供の表情が見られた。楽しそうだった。
保護者(子供は4歳3か月)
・子供が見聞きしている姿を客観的に見ることはあまりない、あんなにも興奮するんだなと思った。笑顔が見られて親としても嬉しかった。
・次の展開を予想して声を出す場面も。読むスピードや間も丁度よく、子供も楽しめていた。
・普段は親の好みで絵本を選びがち。知らないジャンルの絵本は親も子も新鮮。
黒田真由美 所長
・子どもたちは、いつもより食いついて聞いていた
・長い話は飽きてしまいがちだが、集中してた。(普段3冊読むと子供は飽きるそうです)
・「楽しかった?」のようなやり取りをしてくれたので、子どもたのしそうだった。
山形県立盲学校
<児童生徒>
・私は今日のYBCアナウンサーさんの声がいいなぁと思いました。回文の「しんぶんし」や「トマト」などの、上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる文がおもしろいと思いました。これからも体に気をつけて、アナウンサーの仕事をがんばってください。(小3)
・回文がおもしろかったです。「なすおすな」のところが、一番おもしろかったです。アナウンサーさんの声がとてもきれいでした。もっと聞いてみたくなりました。また来てほしいです。(小3)
・朝は本を三冊読んでいただき、ありがとうございました。わたしは「どっちから読んでも」という本で、たくさんの回文がとてもおもしろかったです。そしてほかの2冊は、「クリスマスのおはなし」で赤ちゃんが生まれて良かったなと思いました。どの本もとてもいい本だと思いました。(小4)
・私はいろいろな物語を聞いて、いろんな気持ちが生まれました。たとえば「おもしろい」や「かなしい」や「かわいそう」など、たくさんの気持ちが生まれました。私が一番興味を持った本は、3番目に読んでくださった戦争の時のお話です。小さい妹はこの後どうなってしまうのか、ドキドキしながら聞いていました。
・わたしはYBCのアナウンサーさんの読み聞かせを聞いて、回文の本やクリスマスのお話や戦争のお話など、その季節や今の時代にぴったりのおはなしだなぁと思いました。特に私が一番おもしろかったのは、「なすおすな」という文章です。私は「上から読んでも下から読んでも」が大好きです。クリスマスのお話では、「マリアに赤ちゃんが生まれて良かったなぁ」を思いました。そして戦争のお話では、小さな妹がはがきにどれくらい元気なのかを〇で示すというところが、だんだん〇が小さくなってだんだん〇が小さくなり、たまに×になることがあったので、元気がないのかなぁと思いました。読み聞かせに来ていただいて、ありがとうございました。(小5)
・読み聞かせをしていただいたアナウンサーさんの声がとても活舌が良く、聞き取りやすかったです。そして回文の本の時に、わかりやすいように繰り返し読んだり、まわりの状況や絵を説明していただいたりと、とてもわかりやすいと思いました。できるなら、あのまま全ての本の読み聞かせを聞いてみたいと思いました。機会があったら、ぼくは本が好きなので読み聞かせを聞きたいです。(中1)
・松下アナウンサーが読んでくださった回文は、イントネーションがとても軽やかで楽しい気持ちで聞くことができました。山本アナウンサーのイエスキリストの誕生のお話を聞き、クリスマスの始まりを知りました。松下アナウンサーの「字のないはがき」は、私の知っているお話でした。話を聞きながら、戦争のない世界がいいなぁと思いました。お二人のしっかりとした発音でのお話は、とても参考になりました。これからますます寒くなります。お体にお気をつけてください。(高3)
<教師>
・字のない手紙は、グッときました。
・美しい声で丁寧な読み聞かせで、もっと多くの職員にも聞いてほしかった。
・児童生徒が集中して聞いていて良かった。
・小学部のみならず、中学部や普通科の生徒も聞くことができて、有意義な時間でした(複数意見)
・話し方や美しく聞きやすい声、選んだ本等、職員としても勉強になりました。
・外部の方に触れる機会の少ない児童生徒なので、貴重な機会になりました。
・単に読むことだけでなく、様々な知見に裏打ちされたような朗読だったと感じました。言い方を変えれば、教養にあふれた読み聞かせというべきでしょうか・・・。