平和文学朗読キャラバン
【実施期間】令和4年7~9月
【実施回数】22団体
【事業実施の成果・課題】
平和文学朗読キャラバン18年目の今年は、長崎・佐賀県内の22団体(小学校・中学校・学童クラブ)にアナウンサーが朗読した映像を事前に収録し、学校向けに閲覧ページを作成、限定視聴を行いました。今年は、3260人の児童生徒に平和文学を朗読。参加人数は昨年までと合わせると、184団体・2万8255人となりました。
新型コロナの影響で3年連続、新たなスタイルでの朗読・視聴となっていますが、参加頂いた先生方からは「毎年、8月9日当日やその前に平和学習の機会を設けているが、被爆者の方々の数も減り、来校してもらうことが減った。こういう機会は、子供たちに平和教育を行うのに、大変ありがたい。」「朗読映像の視聴であれば、クラス毎に視聴が可能で密にならずに実施できた。コロナ対策としても大変有難い試みだった。」など多数嬉しいお声を頂きました。
今年もコロナ禍ということもあり、直接学校を訪問せず、再生動画を限定配信するというスタイルでの実施となりました。今年は、応募いただいた全ての団体へ視聴をして頂きました。また、今年は保護者の方からの応募で学校の実施に繋がった事例もあり、先生方だけでなく、この事業が保護者の方々へ浸透していることを実感致しました。
<課題>
映像素材で平和への思いは伝わるのか、という不安もありましたが、子どもたちは各教室で集中力を切らすことなく見入ってくれたようです。企画の応募状況や、子どもたちの反応、ラジオ・テレビ番組に届くメッセージなどから、当キャラバンの「地域への浸透」や「期待と責務」も実感しています。
一方でコロナ禍前までは、アナウンサーが学校を訪問するというスタイルを実施してきました。生で子供達に平和の話を伝える経験をしたアナウンサーからは、やはり直接子供達に伝えたいという声も聞かれました。来年以降、コロナの状況などを踏まえ実施形態について社内で議論を重ね検討していくことにしております。
【教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想】
22団体・3260人の児童生徒に参加頂き、感想文を送って頂きました。その中から一部を原文のまま抜粋致しました。
★小学生★
もうにどと、せんそうをしたくないです。いっぱいの人がんでなくなったのが、とてもかなしいです。いろいろな、大すきな人がなくなるのはぜったいにいやです。せんそうで、いやな事かなしい事をあじわった人を受けとめて、自分たちでできることをしたいです。(小学2年生)
平和文学朗読キャラバンを見て、私は、戦争の苦しさや悲しさを知ることができました。また、被爆者の話や思いも知ることができました。私は、被爆者の人達の分も幸せに生きようと思いました。そして、原爆のことをもっと知りたいです。この平和な時に生まれることができてとても幸せです。これからも戦争をしない世界になってほしいです。(小学6年生)
★中学生★
NBC平和文学朗読を視聴して、戦争は何があっても絶対にしてはいけないということを深く考えました。戦後77年となり、被爆者の方が年々少なくなって、戦争体験を実際に聴くことが難しくなってきている中、アナウンサーの方々が私たちに向けて朗読してくれることはとても大きな思いが込められていると感じました。それぞれができることで「戦争はだめ」ということを伝えていくことが大切だと思いました。私は、自分ができる「みんなと仲良く・優しく」を心がけて戦争根絶につなげていきたいです。(中学1年生)
平和文学朗読を視聴して考えたことは、「戦争はやっぱり怖い」ということです。長崎で、原子爆弾でたくさんの方が亡くなっていることを考えると、被爆された方は、とても辛くて、苦しい思いをされたのだと思います。今は、食べ物がたくさんあり、幸せな生活を送っているけど、昔は食べ物さえも無かったことを知り、とてもかわいそうで胸がいっぱいになりました。「今、私たちに何ができるのか」と聞かれたときに、私は、「人には心がある」と思いました。心の中で、嬉しい、楽しい、悲しい、不安などいろんな思いを感じるけど、だからこそ、相手の気持ちをよく考えて、お互いに認め合い、優しく接し、言葉の暴力を使わないことが、相手の命も大切にすることにつながると思いました。私は、これから世界が平和で、みんなが笑顔であるように、人を大切にしていきたいと思いました。(中学2年生)