四国放送(令和4年度)

四国放送アナウンサーお話会「言葉(ことば)っておもっしょいゾウ8」

【実施期間】令和4年11月~令和4年12月
【実施回数】会場5回

【事業実施の成果・課題】

新型コロナが日本に上陸してから3年。少しずつ行動制限が緩和されてきたとはいえ、事前の小学校との打ち合わせでは、まだまだ多くの先生方から「コロナで行事などの子どもたちの楽しみが随分減ってしまった」との声が聞かれました。中止になってしまった修学旅行や遠足、運動会のお昼休みに家族で食べるお弁当の代わりにはなれないまでも、少しでも子どもたちに楽しいと感じてもらえる行事にできればという思いで臨みました。

「アナウンサーと小学生との距離はどの程度開けるか」「発声練習は行っても良いか」など小学校ごとに事前にしっかり打ち合わせをし、感染症対策に注意しながら授業を行いました。小学校での普段の授業の進め方も、昨年までよりかなり規制が緩和されているようでしたので、昨年と比べアナウンサーも子どもたちものびのびと授業ができたように感じます。どの小学校でも「来年もまた実施してほしい」と嬉しいお言葉をいただけました。

来年度は、コロナが収束してコロナ禍以前のように授業ができることが一番ですが、もしこの現状が続いていたとしても、より子どもたちに楽しんでもらえるように引き続き工夫していければと思います。

【事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想】

<石井隆智アナウンサー>今回、絵本を読みに北井上小学校に行きました。人生で初めての読み聞かせで緊張もありましたが、北井上小学校の教職員・生徒の皆様が温かく迎えてくださり楽しむことが出来ました。体育館に集まった小学1年生から3年生、62人。寒い中、子どもたちは膝を揃えて前を向き、最後まで真剣に耳を傾けてくれていました。その表情や姿勢を見て「自分も全力で応えなければ」と終始腕まくりをするほど心が熱くなりました。読みや話でぎこちなさもありましたが、これが少しでも子ども達にとって良い刺激になれば幸いです。子ども達の笑顔、疑問に思う顔、考える仕草、聞き入る表情。自分の言葉一つ一つに対して、皆それぞれ異なる反応をしていました。同じ空間で同じ空気を吸って、思いを言葉に乗せて伝える。これが話す・伝えるということなのだと感動しました。読み聞かせを通して「伝える」の本質を体感することができました。普段、ラジオやテレビを通して伝える仕事をしていますが、今回体感した本質を忘れずにこれから過ごしていこうと思います。

 <緒方ゆいアナウンサー>初めての読み聞かせで緊張しましたが、とても楽しかったです。 この読み聞かせ事業をするにあたって、子供たちがより絵本の世界に入ってもらえるように、スピードやトーンを変えたり、絵本の中の歌や擬音語を大げさに言う練習をしたりと、表現の幅を広げられるよう努めました。また、ほぼ関西弁で書かれた『ええことするのはええもんや』という絵本も、アクセントが違うと子供たちは違和感を覚えると思い、大阪に住んでいる友人に電話でアクセントを聞いてもらうなど、聞いていて引っかからない読みをするよう心掛けました。 実際に本番を迎えると、最初は緊張のあまり、机の上に置かれている台本をじっくり見ながら読んでいましたが、子供たちが注目して、真剣に聞いてくれていたので、いつの間にか子供たちの目を見て、「しっかり届けよう」という意識で読んでいました。 また、絵本だけではなく、母音の口の開け方の練習や早口言葉を披露したり、校歌を朗読したりしました。「コロナ禍で、子供たちが口を大きく開けないようになった」と以前先生が話していたのですが、当日、子供たちは楽しそうに、マスク越しでも伝わるくらい大きく口を開けていて、それが何よりもうれしかったです。 盛りだくさんの45分間で、子供たちのノリのいい反応と、「楽しかった」という声が聞けて、やりがいを感じました。そして、最初は絵本の読み聞かせをしに行くという感覚でしたが、実際に行くと、絵本の面白さや、声を届けることの大切さを子供たちの方から教えてくれた時間でした。今回経験したことを生かして、ニュースなど情報を伝えるうえで、誰にもでも伝わる読みをしていこうと思います。

 <外谷光アナウンサー>マスクをしていることもあり、表情が見えないことに対して、少し不安がありましたが、マスク越しでも、笑顔であることがわかり、私たちがほっこりしました。絵本に関して問題を出すことで子どもたちの集中力がアップしたのはさすが福井さんと思い、勉強になりました。

<豊成春子アナウンサー>私は南井上小学校と福島小学校に行きました。読み聞かせでは、それぞれ3冊の本を読みました。特に落語絵本はおちがあるので子どもたちの反応も良く、落語の面白さは年代を超えて伝わるんだと感じました。自分自身にとっても、いい経験になりました。ニュースなどを伝えるのとは全く違うので、声色に感情を乗せるのが難しくもあり楽しかったです。他の仕事にもつながります。最後の質問コーナーでも積極的に質問してくれました。読み聞かせの時間がシンプルに楽しかったと感じてくれたら嬉しいし、子供たちのテレビやラジオへの興味・四国放送の認知度が少しでも増してくれたらいいなと思います。

 <中山千桂子アナウンサー>北井上小学校の皆さんの真剣にきいてくれる眼差しに何度も読み聞かせの授業をしていますがいつもドキドキしています。言葉の持つ力を実感する瞬間であり詠みの奥深さを心で脳で感じることが出来ます。事前の校長先生のお話の中で物語を楽しみ、その世界に没頭する姿勢を身に着けてほしい。と、語っていらっしゃったのでその想いをこの読み聞かせの時間でも感じて欲しいという思いで授業をしました。今回の事で、児童の皆さんが読むことやアナウンサーに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

<野口七海アナウンサー>「うどんのうーやん」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「じゅげむ」の3冊を読みました。真剣にひとつひとつの絵本に向き合ってくれていた児童の姿が印象的でした。「じゅげむ」は授業でも習っていたようで最後にはみんなでじゅげむを音読をすることもできました。また事前に「コロナ禍で大きな声の出し方が分からない児童が多い」と聞いていたので大きな声出すため「あ・い・う・え・お」と発声練習もしました。とっても積極的に大きな声で元気よく発声ができていたので良かったです。この授業をきっかけに本を読む楽しさや元気な声の出し方が伝わっていれば嬉しいです。

 <福井和美アナウンサー>先生方から「コロナの影響で学校の楽しい行事が減った」との声があった。45分の読み聞かせがその代わりにはならないのはわかっているが、それでも「小学生の時に アナウンサーが来て 本を読んでくれた」と、豆電球がともる程度でも 心に残ってくれたらと 授業に臨んだ。小学校低学年には今年も「落語絵本」の受けがいい。「語る」前提で作られているから、こちらも声色・強弱・スピード・間を駆使して、めいっぱい表現できる。普段見えない視聴者に向けて 語りかけるのとは違って、即反応が返ってくるのが「やりがい」だ。子供は正直だから、つまらないとすぐ意識がそれる。ある意味子供と真剣勝負!結果は・・・どうだったかなぁ。次回もこの勝負に参戦させてほしい。

<物部純子アナウンサー>毎年、楽しみにしている事業で、今回、私は徳島市の渋野小学校12年生(86人)を対象とした読み聞かせ授業に行きました。絵本を3冊紹介したのですが、子供たちは、どれも熱心に聞いてくれて、反応も良く、嬉しい気持ちになりました。早口言葉に挑戦した時も、子供たちが楽しんでくれて、よかったです。また今回、読み聞かせの授業で、初めて校歌を朗読しました。母校の誇りを感じたり、学ぶ楽しさなど、自分の小学生だった頃を思い出しながら、子供たちの元気に、パワーをもらった授業となりました。

【教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想】

<先生方の感想>
・コロナで様々な行事が中止になる中、子どもたちの楽しみを増やしていただけてありがたい。
・低学年の子どもたちは入学時からずっとマスク生活のため、他人が口を開けて大きな声を出す場面を見る機会も少なく、大きな声の出し方がわからない子も多い。そんな中で今回発声の指導もしていただけたのはありがたかった。
・子どもたちが身動きもせず集中して聞けていることに驚いた。
・こんな風に読めばよいのかと勉強になった。

 <子どもたちの感想>
1人でいくつもの声を使い分けていてすごいと思った。
・絵本がしゃべっているみたいだった。
・自分もアナウンサーになりたいと思った