【活動名】HBCアナウンサーによる読み聞かせ
【実施期間】令和4年7月~12月
【実施回数】会場10回
【事業実施の成果・課題】
コロナ禍が続く中、各小学校からは、子どもたちが楽しみにしている「プロによる読み聞かせ」を何とか実施してほしいという要望が多く寄せられました。各学校とも相談し、感染予防策を取りながら、予定通り10校で無事開催できました。コロナ感染により欠席した児童のため、子ども一人一人に貸与されているタブレットとつないで読み聞かせの様子を配信したり、一部の学年のみ体育館で、残りの学年は各教室から参加したりした学校もありました。大きなスクリーンやモニターに絵本を映したことや、声の使い分け、豊かな感情表現により、児童は絵本の世界に入り込み、読書の楽しさを感じてもらえたようです。HBCアナウンサーによる朗読会は10年目を迎えました。かつて教鞭をとった別の小学校でこの朗読会を経験し、今勤務している小学校の児童にも聞かせたいと申し込んだという小学校もありました。「来年も来てほしい」という声も寄せられています。札幌市教委と二人三脚で積み上げてきた本事業の成果を感じております。
また、朗読会に向け担当アナウンサーは準備を重ね、アナウンス技術を磨きました。局内のスタジオとは違った緊張感の中、子どもたちの目の前で反応を直接感じながら朗読を披露することは、アナウンサーのスキルアップにつながったと手ごたえを感じています。
感染対策に留意しながらリアルな朗読会をどのようにして実施し充実させるか引き続き検討を重ねる必要があると考えています。また、子どもたちにより楽しんでもらえるような絵本選びの幅を広げるとともに、この貴重な経験をより多くのアナウンサーが積めるよう工夫をしていこうと思います。
【事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想】
【糸賀舜アナウンサー】
様々な動物が出てくる中でそれぞれの声色をどう変化させ表現するかがカギでした。声の高低といったトーンなのか、緩急をつけて表現するべきなのかに悩みました。小学生に読み聞かせるという点から、読み始めの早い部分で大げさに、オーバーに声色を使うことで聞き手をグッと引き込むことを目指しました。また、長めの絵本だったため後半で口が疲れてキレが悪くなったり、声色の変化が弱くなったりしないようにすることが課題でした。
【森田絹子アナウンサー】
絵本の世界観を壊さず、「劇」ではなくあくまで「読み聞かせ」の範疇で、“セリフ部分”をどう読むのかが一番の課題です。どこまで色を付けるか、どこまで感情を込めるかなど、子どもたちを惹き付ける読み方をもっと研究する必要があると思いました。また、読み聞かせ前後のやりとりでも、大人ではなく子ども相手により良いコミュニケーションを図るために更に工夫していこうと感じました。
【堀内美里アナウンサー】
自分にとって苦手そうなタイプの絵本を選んだことで技術が向上しました。明るくてユーモアがある絵本の読み方を先輩から指導してもらい、強弱の付け方と間の取り方を学びました。どちらも自分が思っているよりも大胆に表現したほうがメリハリがつきました。本番では小学生とのコミュニケーションの大切さを実感しました。特に、絵本を読む前の時間をもっと楽しい雰囲気にできれば、子ども達のリアクションももっといいものにできたと思います。
【教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想】
【教諭】
コロナ禍ということや、駅から遠い場所にあることが理由で、学校外の人を呼ぶ機会や、「本物」に触れるということが子どもたちにとって貴重だ。何人かは確実にきょうの経験を通じて、アナウンサーになりたいと思っているはず。来年も応募したい。
【教諭】
第一声から「違うな」と思った。さすがプロだ。自分たちではこうはいかない。応募してよかった。
【教諭】
みんな真剣な表情で聞き入っていた。お話の主人公になったつもりの子がたくさんいた。本校の開放図書館関係者も一緒に楽しむことができた。子どもたちの読書意欲向上にとって、とても有意義な時間となった。
【小3児童】
「知っていた本だけど、アナウンサーが読んでくれるとイメージがふくらんだ」「動物たちがたくさん出てきて楽しかった」
【小6児童】
「動物によって声色が変わるのがすごい。アナウンサーの読み方をまねして、来月の学習発表会で生かしたい」
【小6児童】
「絵本は小さな子どものものだと思っていたけれど、大きな数字が出てきて自分たちの年齢が楽しめる絵本だと思った」「自分のことだけではなく、周りの人のことも考えて行動することが大切だと思った」「文と文のあいだに聴きやすい間があった」