【活動名】ABSアナウンサー読み聞かせ隊
【実施期間】令和4年12月~令和5年1月
【実施回数】会場3回
【事業実施の成果・課題】
今年度は、業務の都合で募集開始が去年よりも遅くなったのに加え、弊社アナウンサーの中で新型コロナ感染者が出たため推移を見守っていたことなどもあり、結果、実施校は3校にとどまりました。
読み聞かせ事業を継続して行っていると、同じ学校を同じアナウンサーが訪問するということが起きます。今回は4年前に2年生に読み聞かせをしたアナウンサーが、同じ学校で6年生になった子どもたちと再会。読み聞かせに加え、自分の将来へ夢を持つ年代になった子どもたちへ職業講話も実施でき、感慨深い時間だったと話しています。
私たちは、読み聞かせを通して、子どもたちが感性を育むきっかけを提供しているにすぎません。主役の子どもたちがどう受け止め、どう感じてくれるか、どんなふうに視野を広げてくれるのか、考えただけでワクワクしてきます。そんな気持ちを大切にしながら次年度も活動を続けていこうと思います。
ところで、申し込みのあった学校からもれなく要請されるのが、読み聞かせの後の職業講話です。
コロナ禍でマスク着用などコミュニケーションをとるのが難しいこの時代、話すこと、伝えることの大切さを改めて感じていただいているのだと感じます。「読み聞かせ」を入り口に、私共アナウンサーの仕事内容などを知ってもらったり、コミュニケーションの大切さを感じてもらったりできたならうれしい限りです。
これまで弊社では、主に小学生を対象に読み聞かせを実施してきましたが、次年度は幼児にも対象を広げてみてはどうだろうかと考えています。日常業務との兼ね合いになりますが、検討を進めていきたいと思います。
【事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想】
【鴨下 望美アナウンサー】★きらり支援学校は、昨年度も読み聞かせで訪問する予定だったが、全国的にコロナ感染が拡大する中、対面を断念しリモートで実施した。
「去年はリモートでの読み聞かせだったため、対面での読み聞かせ実施は久しぶりでした。支援学校であるという事情を考慮し、事前に担任の先生に朗読する図書について相談した結果、『おもちおばけ』を選びました。朗読に集中して聴き入る生徒たちはとても反応が良く、面白いシーンでは大笑いしながら聞いてくれました。
【酒井 茉耶アナウンサー】★今回授業を行った6年生、実は酒井アナが4年前にこの学校を読み聞かせで訪問したときの2年生。成長した子どもたちとの久しぶりの再会に感動
「全員が読んだことがない本だったので、どんな風に話が展開していくのか真剣に聞いてくれました。真面目な場面や明るい場面など、どんな表情で聞いているのか目の前で子供たちの反応が見られるのが読み聞かせの良いところ。前のめりで聞いてくれた子もいて嬉しかったです。」
【竹本 多佳良アナウンサー】★大人数に対する読み聞かせは、演出の面で一工夫が必要だった。
5.6年生への読み聞かせだったので、考えさせられる内容の絵本を選びました。読み聞かせ中、みんな真剣に静かに聞いてくれていました。「いとしの犬 ハチ」は絵を見せながら読んだのですが、生徒が100人前後いて、後ろや端の生徒は見えなかったのが少し申し訳なかったです。自分の場所を変えたり、生徒に見える場所に移動してもらったりと、次回は見せ方の工夫もしようと思います。最後の質問コーナーで、読み聞かせの本や発声の仕方に興味をもってくれた子が質問してくれて嬉しかったです。
【教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想】
【秋田きらり支援学校・一関先生】
「ABS読み聞かせ隊」の出前授業では、当初は仕事についての講話と考えておりましたが、「読み聞かせ」という有り難いご提案をいただきました。実際、読み聞かせを行ったところ、純粋に鴨下さんの読み聞かせを楽しむ生徒、聞き手をぐっと引き付ける読み方に興味をもって聞いている生徒、楽しみ方はそれぞれでしたが、物語の世界に引き込まれていったのは皆同じであったろうと思います。それを受けて、話し方のコツなどお仕事の関わるところも教えていただけたので、生徒の理解も大変深まりました。実際の発声練習の体験では、全員が笑顔で、いつもより大きな声を出している姿が印象的でした。私たちの動画に関しても、意欲につながるアドバイスをいただきました。その後、生徒たちは鴨下様から教わった「カメラの向こうの人を意識する(自分の伝えたい相手をイメージする)」ことを互いに確認し合って、学習に臨んでいました。感謝申し上げます。
【秋田市立河辺小学校・猿橋先生】
食い食われる森の生き物たちの声を幾通りもの声で表現する読み聞かせに、子どもたちは感動していました。そして、なるほどと考えられるユニークな本の選定も、子どもたちにはぴったりでした。音読を4月から続けている子どもたちにとって、どのように気持ちを言葉にのせて伝えるのかのヒントをもらったようです。一つ一つの言葉を大切することを改めて実感したようです。
アナウンサーの仕事、夢を叶えるための体験談のお話は、「何事もあきらめないこと」「好きなことをとことんやり通すこと」「自分の良さを知ること」など、これからの生き方にも大いに参考になるものでした。子どもたちを巻き込んで進められた早口言葉、イントネーション、原稿読みは、とても集中して子どもたちは取り組んでいました。
【秋田市立牛島小学校・鎌田先生】
透き通るきれいな声で読んでくださった読み聞かせは、物語に浸る時間となりました。いつも元気な子どもたちも、物語の場面を想像しながら静かに聞き入っていました。「職業講話」に関しては、子どもたちは、竹本さんの仕事に対する思いや日々の取組をうかがうことで、自分の生き方を考える機会につなげていたようです。準備を大切にすることの大切さを教えていただきありがとうございました。卒業を控えた子どもたちに、準備の大切さを忘れないよう、声をかけていきます。充実した学習となりましたことに、心より感謝申し上げます。
【同小学校の児童たちの感想】
・読み聞かせでは、強調したり、登場人物によって声を変えていたりして、物語の場面が想像できて、内容が分かりやすかったです。
・竹本さんのお話を聞いて、これからの自分の未来について考えることができました。自分の努力次第で進める道も増えてくると思います。可能性を信じてがんばりたいです。
・災害時のために訓練を怠らないこと、アクセントを大事にしていること、発声練習をかかさずしていることなど、アナウンサーが普段行っている努力を知ることができました。普段の努力が、自分の将来につながると感じました。自分は、将来、接客業につきたいので、努力を怠らないようにしたいです。
・アナウンサーの仕事が、テレビに出るのが2割、準備が8割だと聞いて驚きました。分からない言葉を辞書で調べたり、発声練習をしたりして、たくさんの準備が必要であることを知りました。ぼくは放送委員なので、放送をする前にしっかりと準備したいです。
・お話を聞いて、どんなことでも、コミュニケーションが大切だと思いました。ニュースやリポートなどは、いろいろな人との関わりでできていることを知りました。自分の目指す夢や目標の選択範囲が広がりました。
・お話を聞いて、一つのことに対して頑張ることは、将来の自分のためになると分かりました。前向きに物事を捉えることが、自分の成長につながると思いました。
・読み聞かせでは、強調したり、登場人物によって声を変えていたりして、物語の場面が想像できて、内容が分かりやすかったです。