青森放送(令和3年度)

【活動名】RAB子どもたちとつながり隊!
【実施期間】令和3年9月~令和4年12月
【実施回数】9回

<事業実施の成果・課題>

今年度は夏の大雨で被害を受けた地域の小学校と、間もなく閉校を迎える小学校など、9校で読み聞かせ事業を実施しました。「アナウンサーは上手だな」ではなく「この授業は楽しかったな、また受けたいな」と思ってもらえることを目標としました。

コロナ禍の影響で3校はオンラインで行いましたが、学校側も児童もリモート授業に慣れていたので想像よりスムーズに行うことができました。ただ音声が不明瞭になったり児童の表情がわかりにくかったりした時間がありました。

今回の「読み聞かせ事業」は課外学習が少なくなっている小学校では好評で、児童たちは目を輝かせながら授業に臨んでいました。普段は本をあまり読まない児童も集中して聞いていたと先生から伺いました。子供たち自身が「声を出して読む」ことへの興味にも繋がったようで、将来の夢にアナウンサーをあげる児童がいるなど、思い出に残ってくれたようです。担当したアナウンサーも伝える難しさや楽しさを体験する事ができ、次回のアイディアをすでに考えています。

今後は学年ごとに内容をより吟味し、苦戦している児童への声掛けなど、リモートで制限されたふれあいの中でも過不足なく出来るよう工夫していきたいと思います。

<事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想>

<鮫島大史アナウンサー>
「天気予報を作ってみよう」の部分は、子供たちが能動的に天気や自分の身の回りを振り返りながら、これからの生活や行動において注意すべき部分を文章にし、発表するというという難しい課題でした。しかし、思いのほか自然に表現していて子どもならではの目線も感じられました。

 <筋野裕子アナウンサー>
児童のみなさんは積極的に参加してくれました。普通サイズの本を使いましたので、先生方がスクリーンに投影して後ろの列の人も見やすいように協力してくださいました。初めに群読しながら発声練習ができたのも良かったと思います。朗読を聞くだけではなく、一緒に楽しむことができました。学年によって方法を考えながら今後も本を読む楽しさを伝えていけたらなと思います。

<伊東幸子アナウンサー>
テレビやラジオの放送とはまた違い、児童の皆さんの反応が目の前でつぶさに感じられる時間は尊いものでした。話すスピード・間・声の強弱・表情・身振り手振りなど、児童の皆さんの反応を見てその場で変えたり工夫したりする文字通りの「ライブ感」は、その後の放送にも活きています。何より児童の皆さんがこの活動を楽しみに待っていてくれ、キラキラした眼差しで心を踊らせながら授業を受けてくれたことは、今後仕事をしていく上での大きなモチベーションとなりました。

<吉﨑ちひろアナウンサー>
今回は、自分の考えや想いを「伝える」「発表する」ことのハードルが低くなってほしいと思いながら臨みました。言葉で表現することが楽しいと思って貰えると、普段のコミュニケーションや、学習にも繋がるとの思いからです。今後も、アナウンサーの仕事への興味を深めることや、読書に親しみを持ってもらうことに加えて、自分の感情や感覚を言葉に変換することの楽しさや難しさに触れられる内容の授業を実施していきたいです。

 <猪股南アナウンサー>
小学生が積極的で、素直に反応してくれたので、できるだけ一人一回は発言してもらうように努めました。「天気を伝えよう!」では、天気に加えて、何かワンポイントアドバイスも入れてもらったところ、児童同士が様々な発想で天気を伝えてくれました。児童が、想像力を膨らませてワンポイントを発表する様子を見て、真剣に取り組んでくれたのが嬉しかったし、アナンウンサーの私自身も刺激を受けました。また、絵本の読み聞かせだけでなく、滑舌・発声練習などを体験してもらうため、事前準備の段階で時間配分を決めました。そのため全体的にテンポよく進められました。児童たちが楽しそうに声を出したり、早口言葉に挑戦して楽しそうでよかったです。

<境祐貴アナウンサー>
個人的な話になりますが、「読み聞かせ」でアナウンサーになってからはおろか人生の中でも読む側というのは経験がありませんでした。「飽きて途中で寝てしまう子供がでてこないだろうか」「そもそも子供たちが好む絵本はどんなものなのだろうか」非常に不安に気持ちを抱いていました。しかし、始まってみるとなんのその。子供たちの元気さ、素直さに圧倒され不安な気持ちなど吹っ飛んでしまいました。じっと集中してくれているからこそ聞こえる子供たちの息遣い、時には教室中に響き渡る笑い声。本の世界にどっぷりと入り込んでくれていることが伝わりました。ご時世が落ち着けばオンラインではなく対面で子供たちに会いたいと思いました。

 <橋本莉奈アナウンサー>
普段絵本を読んだり、直接こどもたちの反応を見ながら話したりすることがないのでとても新鮮でした。想像以上に楽しんでくれて嬉しかったです。小学生でも、学年によって読み聞かせの本の楽しめるレベルを考えて選ぶといいと感じました。

 <堀葵衣アナウンサー>
初めてこのような機会をいただきましたが、児童たちのパワーに終始圧倒されました。負けないように全力でわたしも読み聞かせ授業に臨みましたが、45分後には本当に足がガクガクするくらいエネルギーを使い果たしました、ただ、興味津々にこちらの話を聞いてくれる児童たちのキラキラしたまなざしと、授業後にもらったアナウンサーという仕事に興味を持ちました、楽しかったです、といった内容の感想がものすごく励みになりました。今後も放送業界を盛り上げていくためには、このような活動はとても有効だとも思いました。

<田村啓美アナウンサー>
元気な挨拶をする積極的な子どもたちでしたが、読み聞かせになると物音一つさせず静かに聞いてくれたので読み手としても集中力が増しました。読み聞かせの後には「人に優しくしないといけないと思った」など物語に寄り添ってくれた子どもたちが多く、やりがいを感じました。質問コーナーでは将来の夢も語ってもらいましたが、夢に近づくにはどうすればいいか真剣に考えるきっかけにもなったようです。今後もよりよい読み聞かせが出来るよう努力していきたいと思います。

<教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想>

<子どもたち>

・声を出して朗読したのが楽しかった
・今度一年生に読み聞かせをしてあげるので参考になった
・放送委員会なので読み聞かせをやってもらってよかった
・練習の大切さを知った・話すのが苦手なので見習いたい
・感動した、一生忘れない
・将来の夢はアナウンサーです!アナウンサーになってみたい
・初めてニュースの人に会えてうれしかったし、読み聞かせが上手で聞きやすかった

<教諭>

・正しく読むことや聞きやすいように伝えることの大切さを実感。「読む」ことから「伝える」「伝わること」への学びがあった
・アナウンサーという職業に触れ、児童たちの新しい世界が広がった。学校としても、また協力していきたい
・教育現場としてはできればリモートではなく直接子どもたちと交流できる機会があればというのが本音だが、リモートでも十分伝わった
・子どもたちが、授業のことを親御さんに話してくれたらしく、家庭内のコミュニケーションも増えていいと思った
・子どもたちはとても楽しかったようで、その後の6時間目はいつも以上に生き生きとしていた