【活動名】HBCアナウンサーによる読み聞かせ
【実施期間】令和3年9月~令和3年11月
【実施回数】会場10回
<事業実施の成果・課題>
昨年度に引き続き、コロナ禍により各小学校では運動会や遠足などを延期したり中止したり学校行事に大きな制約がありました。こうした中、学校側からは、子どもたちが楽しみにしている「プロによる読み聞かせ」を何とか実施してほしいとの要望が多く寄せられました。札幌市教委も「児童の教育に必要と学校側が判断したものは、学外の人が学校を訪問してもかまわない」と判断しました。各学校とも相談し、感染予防策を取りながら、一部日程を変更して、当初予定していた10校で無事開催できました。大きなスクリーンやモニターに絵本を映したことや、声の使い分け、豊かな感情表現により、児童は絵本の世界に入り込み、読書の楽しさを感じてもらえたようです。朗読会後に感想文集が局に届くこともありました。朗読会は9年目を迎え、HBCと札幌市教育委員会との連携・実施体制も軌道に乗っています。かつて近隣の小学校で勤務した際この朗読会を経験し、今勤務している小学校の児童にも聞かせたいと申し込んだという小学校もありました。「来年も来てほしい」という声も寄せられています。市教委と二人三脚で積み上げてきた本事業の成果を感じております。
また、朗読会に向け担当アナウンサーは準備を重ね、アナウンス技術を磨きました。局内のスタジオとは違った緊張感の中、子どもたちの目の前で反応を直接感じながら朗読を披露することは、アナウンサーのスキルアップにつながったと手ごたえを感じています。
感染対策に留意しながらリアルな朗読会をどのようにして実施し充実させるか引き続き検討を重ねる必要があると考えています。また、子どもたちにより楽しんでもらえるよう絵本選びの幅を広げるとともに、この貴重な経験をより多くのアナウンサーが積めるよう工夫をしていこうと思います。
<事業担当者およびアナウンサー(講師・読み手)の感想>
・日下怜奈アナウンサー
アナウンサーとして丁寧に読み進めることも大切だが「絵本」は少し遊んでいいと感じました。
いかに絵本の世界に子どもたちを引き込むかが重要で、笑い声などの反応ひとつひとつを感じ取ってその空気感を大事にしながら物語に繋げていくことで、雰囲気を作り出すことができます。
今後も絵本に出てくる登場人物を全力で演じることを意識していきたいです。
・堀内大輝アナウンサー
対面で言葉を伝えるという経験が何よりも貴重だと感じました。年に1度ですが、自分なりにどうやったらより絵本の世界に入り込んでもらえるかを工夫したうえで、面と向かって目を見て子どもたちに語りかけました。普段のテレビ・ラジオでは目の前に大勢の人がいることは少ないので、リアクションが直接わかるというのは大変貴重な経験です。まして子どもは正直なので面白くなければ面白くないという態度をするので非常に勉強になり、ありがたいです。
これからも、ひとつひとつの言葉を深く考察して、細かなニュアンスまでくみ取り、その絵本なり文章なりの世界をしっかりと言葉で表現できるように努めていきたいと思います。
・大竹彩加アナウンサー
後ろの方の子たちは絵本の文字や絵が見えにくくなる可能性が高いため、どうしたら私の声だけで子どもたちの頭の中に絵が浮かぶのかを考えて練習しました。
当日は、登場するキャラクターになりきって声色をガラッと変えたり、読むスピードや声のトーンを場面に合わせて変えたりすることで、子どもたちが絵本の世界に入り込めるように努めました。緊張しましたが、子どもたちに伝わるようにと思ったら自然と顔の表情が豊かになり、身振り手振りもついてきました。いかに伝えるという気持ちが大切か改めて感じました。また、自分も絵本の世界に入り込むことで感情を開放した読みができるとわかり、自分自身の可能性を感じることができました。
次回は、より緩急をコントロールして物語にメリハリをつけたり場面転換をうまく表現したりしたいです。そしてもっと子どもたちを楽しませ、夢中にさせたいと思いました。
<教諭・保育士・子どもたち・視聴者などの感想>
・札幌市立新琴似北小学校(9月10日実施)の教諭
「国語の授業で戦争を題材にした物語を扱うので、今回の朗読は児童にとって次の授業への足掛かりになったのではないか」
「コロナ禍で学校行事が延期・中止になる中、良い思い出になった」
・札幌市立清田緑小学校(10月15日実施)の校長
「普段はなかなか感情を表に出さない特別支援の児童がすごく喜んでいて嬉しかった」
「また来年も読み聞かせに応募したい」
・札幌市立八軒北小学校(9月14日実施)の児童
「ハキハキしていて、声がきれいでわかりやすかった」
「絵本の内容も楽しくて、わかりやすく読んでくれたので嬉しかった」
・札幌市立南白石小学校(10月26日実施)の児童
「間を開けて読んだり音程や声の大きさを変えて読んでいたりして勉強になった」
「今度、本を音読するときにまねをしてみたい」