【活動名】福島テレビ朗読活動
【実施期間】令和3年6月~令和4年1月
【実施回数】会場2回・オンライン0回
<事業実施の成果・課題>
<成果>
福島テレビの読み聞かせ事業は本を楽しく読むだけでなく、「声」に注目しています。より良い声の出し方や話し方のコツ、さらには読むことと伝える事の違いの説明を取り入れています。
体全体を使って出す=体は楽器と同じという話をしながら、響かせることを意識してもらい、アナウンサーが普段実施している発声練習を児童たちに体験してもらいました。
体で感じることで、しっかりと声を出すことの大切さや、色々な声の出し方を理解してもらえました。同時に、「強弱」「高低」「緩急」「間」など強調の方法を言葉で説明し、それを日常でどう使っているか実践することで楽しく学んでもらいました。
担当の教師や学校からは「授業の朗読でも積極的に手をあげるようになった」との感想を頂戴しています。
画面の中でしか見たことのなかったアナウンサーが直接語り掛けることで、テレビをより身近に感じてもらう機会になっています。
<課題>
・対象学年について
学校の規模によって一つの学年の場合もあれば、複数の場合もあります。これからは中学生まで一緒の義務教育校のケースも考えられます。
理解の速度や度合いが年齢によって大きく異なるため、授業を進める速度の調整に悩む面もあります。ただ、対象範囲は学校に任せています。
・本選び
授業の対象学年が低学年の場合は本の選択肢も多いのですが、低学年から高学年に跨る場合は本選びの難しさを感じます。各アナウンサーは学年を考えて本選びを工夫しています。
絵だけで語るページがある本を選ぶ場合もありますが、基本的には声で本の中の世界を想像してもらいながら聞いてもらうようにしています。
<担当者の感想など>
・坂井有生アナウンサー
活字離れが叫ばれて久しいです。福島テレビの読み聞かせ事業を通じて、「本を読む事はこんなにも世界観が広がり楽しいものなんだ」という気付きを与えてあげられたらと感じています。
授業開始当初はなかなか手を上げてくれなかった児童たちも、中盤、後半と授業が進めば積極的に発言をしてくれたり、生き生きとした表情になってきます。
私は朗読活動の中で、「伝える事は掛け算のコミュニケーション」と話し、「伝え手が言いたいことを10割きちんと伝えられ、聞き手が同時に10割を理解できてこそ、初めて100%の内容が相手に伝わる」と説明してきました。だからこそ難しいのだとも。8×8で64%すら伝える事が難しいのだから、落ち着いて丁寧に伝える事の大切さを解説しました。
今回の体験で、朗読とは「上手に文字を追うのではなく、聞く人に情景や内容、登場人物の感情を伝えること」と気付いてもらえたならうれしい限りです。それはきっと本の面白さに気付くきっかけになるはずです。
アナウンサー自身の成長にも繋がっていると感じます。テレビの前の視聴者により伝える事を意識するようになるからです。
福島県に暮らす児童たちの豊かな心を育むためにも、そして我々アナウンサーが伝える事をより意識して今後の番組に取り組んでいくためにも貴重な機会と感じました。
<担任・生徒の感想>
<教師から>
授業内の朗読でより積極的になってもらおうと思い応募した。ただ文字を追って声に出すだけでなく、間の取り方や声色の変え方など、教師も学ぶ場面が様々あった。児童たちの瞳も輝いていて、画面の中でしか見たことのなかったアナウンサーに指導を受けたことは強い刺激になったと思う。
<児童から>
・間を大きくあけるだけで、時間が進むように感じるんだと驚いた。声色が変わるたびに登場人物が変わったことがわかり新鮮だった。
・話を聞いて、将来アナウンサーになりたいと思った。
・使っている声の幅に驚いた。
・アナウンサーの声は通るし、朗読の授業内でも全然噛まないから驚いた。
・本が好きになった。