【活動名】すくすこ お出かけおはなし会
【実施期間】2020年12月~2021年1月
【実施回数】3回
<事業実施の成果・課題>
山梨県内の新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、ようやく11月に募集を開始した。「幼稚園側からの希望は少ないかもしれない」と懸念していたが、ふたを開けてみれば、例年以上の申し込みを受ける結果に。その理由を幼稚園側に尋ねると、「コロナ禍で、園児が楽しみにしていた年間行事を、軒並み中止せざるを得なかった。そんな中、この“読み聞かせ”は、園児たちにとって大きな楽しみと希望になる。是非、開催してほしい。」とのことだった。この事業を受けて良かった、続けてきて良かったと、改めて感じた。
開催に当たって、感染予防対策がしっかりとれる園(園児が集まってもソーシャルディスタンスが保てる広い部屋がある/換気・消毒などが徹底されている)を選んだ。その上で、幼稚園側の対策マニュアルに沿って、参加アナウンサーも事前の検温表などを提出するなどして、万全の管理で事業を実施。
園児との距離を保ち、接触などがないように配慮するため、一緒にジャンプしたりする「ぴょーん」など、動作系の人気絵本は選択せず。代わって、「ねぇ、どれがいい?」など、読みながら質問を投げかけ、園児も一緒に考えられる絵本を導入。また、園の担当者と事前に打ち合わせる中で、幼稚園の図書室には置いていない本・先生方が読み聞かせたことのない本だけを選んだ。
≪今後の課題・検討材料≫
コロナ禍で、例年よりも「園児との距離」を取った分、本の中の“絵”が小さいと、特に後ろの列になった子には見えづらい。話の内容が面白いので園児も一生懸命聞いてくれたが、来年以降も同じ状況が続くのであれば、『内容はもちろん、なるべく“絵が大きい”本を選ぶ必要』があるかも。
<担当者の感想>
【岡本桃香アナウンサー】
初めて幼稚園での読み聞かせ会に参加しました。意外だったのは、子どもたちが「同じ言葉の羅列」で大笑いすることでした。読み方を変化させ、一緒に言葉を発することを促すことで、さらに笑っていたので、絵本の読み方は何通りもあるのだと改めて感じました。
先生方も、絵本の内容や、読み手に反応して、子どもたちと共にリアクションをとり、読み聞かせに注目を集めてくださったこともあり、どのクラスも集中して聞いてくれて嬉しかったです。
【森田絵美アナウンサー】
大人向けの朗読会に参加したことがあるが、幼児たち相手は初めて。大人とは違って「アナウンサーだから」という先入観がない分、自分の読みが試された。面白くなければ笑わないし、興味を失えば聞いてくれない。だから、かなり練習したし(笑)、同時に、とても良い勉強になった。
自分に足りない表現力や、感情の出し方・伝え方、相手の心のほぐし方が見つかった気がする。また、積極的に参加したい。
【その他のアナウンサー】
◆ ラジオなどでの読み聞かせと違い、直接、目の前の子どもたちから反応が返ってくるので嬉しい。「読み聞かせ」は一方的なものではなく、双方向のやり取りがあった方が面白いし、互いの喜びに繋がるんだなと、改めて知った。
◆ 正直、楽しかった。コロナ禍で、アナウンサーとしても大勢の前で何かをする、という経験が今年は少なかっただけに、仕事とはいえ、楽しみながら読ませてもらった。
◆ 子どもたちの喜ぶ顔を見て、幸せな気持ちになった。その分、こちらも力を抜かず、全力で読んだ。反応も良かったので、「読む」というより、一緒に絵本の中に入り込んで楽しんだという感じ。いかに子どもたちを“巻き込める”読み方が出来るか?を、自分の課題として研究していきたい。
◆ 幼稚園にはない本を選んだが、中には、自宅で読んだという子どもたちも。ただ、それでも、初めて聞いた・見たかのような反応。絵本は、何度繰り返して読んでも大丈夫なんだということ、読み方を変える・ペースを変えるだけでも、子どもたちにとっては新鮮なんだということが分かった。
◆ 「始まり」と「終わり」の挨拶を、お互いが元気な大きな声で交わせて良かった。コロナ禍、少しでも元気を届けたいという想いだったが、かえって、子どもたちの方からパワーをいただいた思い。『この子たちの未来を明るいものにするために、まだまだ出来ることはある。アナウンサーとしてはもちろん、責任ある大人としても』と、心に誓う機会にもなった。
<参加者の感想>
【くさかべ幼稚園】
◆ 楽しみにしていた「クリスマス」関連の絵本に、子どもたちは、特に大興奮でした。“サンタクロース”への関心がさらに高まった様子だった。ありがとうございました。
◆ 新聞記事やテレビのニュースで取り上げてもらえたことも嬉しかった。(親御さんにも了解を得ていたが、皆さん好意的に賛成してくれた)自分の子どもがメディアに取り上げられるのは、何を置いても特別。
【山梨学院幼稚園】
◆ 『おじいちゃんのおじいちゃんの…』では、子どもたちが「ひいひいひいひい・・・・と言い続けるところが面白かった!」と興奮して感想を伝えてきた。また、「森田アナウンサー、綺麗だったね!」「みんな、大きくてキレイな声だった!」「アナウンサーはカッコイイ!」と話す子どもたちもいて、アナウンサーという職業に憧れを抱いた子も多かったようだ。とても良い機会になって、感謝。
◆ ちょうど直前に、「昔の生活を調べてみよう」というテーマで、園児たちが自ら調べて発表し合うプログラムがあった。今回、『おじいちゃんのおじいちゃんの…』では、先祖を遡るストーリーの中で、挿絵として「明治時代の街並み」「江戸時代のちょんまげ姿」「縄文時代の竪穴式住居」「原始時代のマンモス狩猟」などが描かれていて、子どもたちはそういった部分にも興味を持ったようだ。今後、カリキュラムの中に『おじいちゃんのおじいちゃんの…』の絵本を取り入れ、服装や背景を遡りながら、現代から昔への移り変わりを発見していきたいと考えている。子どもたちが、楽しみながら学んでいく、新しい方法を教えてもらう機会になった。