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民主主義を勝ち取れ!沖縄の帝王・高等弁務官に立ち向かった、名もなき人々のエネルギーは国をも動かした!その闘い、最初に火をつけたのは、サンマをめぐる 小さな裁判だった!
1963年 オキナワ。米軍の占領統治下に置かれ、祖国復帰を願う沖縄の人々が、日本の味として食べていたサンマに「関税が掛かっているのはおかしい!」と、魚屋の女将・玉城ウシが、琉球政府を相手に裁判を起こしたのが、熱いドラマの始まりだった。このウシおばぁが起こした「サンマ裁判」のさざ波は、いつしか、統治者アメリカを追い詰める「民主主義」をかけた大波となった!
沖縄の人々の前に立ちはだかったのは、歴代最強の高等弁務官ポール・キャラウェイ。「自治は神話だ!」と言い放ち「キャラウェイ旋風」と呼ばれた男。サンマを賭けて、魚屋のウシおばぁは、帝王キャラウェイに挑んだ!サンマをめぐる闘いの中で、デモクラシーの国アメリカに対して沖縄の人々が訴え続けていたのは、「民主主義とは 何だ?」という極めてシンプルな問いかけだった!
ウソみたいなホントの話、「サンマ裁判」のオモシロ珍騒動の秘話を、うちなー噺家・志ぃさ~がナビゲート! ナレーターは、川平慈英が担当する。
川平 慈英 俳優
ミュージカルを中心に、サッカーナビゲーター、ナレーション、ドラマなど幅広く活躍する、沖縄出身の俳優。父の川平朝清は沖縄初のアナウンサーで、兄のジョン・カビラもフリーアナウンサーとして活躍している。
編集後記
ディレクター:山里 孫存(沖縄テレビ)
沖縄で起きている現実を、テレビで伝えるとき、いつも考えこんでしまう。伝える内容が深刻な問題であればあるほど、大切なメッセージにたどり着く前にチャンネルを変えられてしまうのではないか…という不安…。実際にネット上では、「沖縄の被害者面はもう見たくない」というような書き込みが目立つ。どんな番組をつくれば、多くの視聴者に届くのか?
今回の番組を企画したきっかけは、亡くなった父の想い出を語る、友人のフェイスブックで見つけた「サンマ裁判」というワードだった。その「サンマ裁判」という言葉の響きに惹きつけられ読んでみると、亡くなった彼の父は、沖縄が日本に復帰する前、琉球裁判所の裁判官で、祖国復帰運動の起爆剤となったといわれる「サンマ裁判」の判決に関わった、ということらしかった。
私の知らなかった「サンマ裁判」とは、復帰前の沖縄で「日本の味」として県民に人気があったサンマに、「輸入関税」が掛かるのか掛からないのかで訴訟が起き、「沖縄の帝王」と呼ばれた高等弁務官とウチナーンチュが衝突した裁判だったようなのだ。しかも、最初に訴えたのは魚屋の女将で、玉城ウシというおばあちゃんだったとわかった。
「ウシがサンマを訴えた!」 ネタはいい! あとはどう料理するのか?
民教協スペシャルという全国ネットの番組枠に挑戦するチャンスをいただき、「どんな番組をつくれば届くのか?」いつにも増して考えた。その試行錯誤の末の番組が、落語をベースにしたスタイルの、ハイテンション・エンタメ系ドキュメンタリー「サンマ デモクラシー」となった。どうか届きますように!