#70 むすぶ~小豆島・千枚田と生きる~

2014年11月16日(日)(テレビ朝日 放送) 西日本放送制作  協力 文部科学省

shokukikou70-1.jpg瀬戸内海に浮かぶ小豆島。島の中央部にある「中山(なかやま)地区」には700年前から築きあげられた758枚もの棚田が波のように重なり合っています。
その「千枚田」のど真ん中に精米所を改装した食堂「こまめ食堂」があります。日本名水百選にも選ばれている山麓から湧き出る水が千枚田を潤し、その千枚田でとれたお米で作るおにぎりをメインにした「おにぎり定食」が一番人気。

shokukikou70-4.jpg店の代表は、「りっちゃん」こと、立花律子(たちばなりつこ)さん。昔ながらのガス釜で棚田のお米、そして名水で炊いたおにぎりを目当てに大勢のお客さんが訪れ、多いときには100食以上売れるといいます。

shokukikou70-2.jpgその食堂のお隣にあるのが300年以上の伝統がある農村歌舞伎の舞台。毎年10月に「中山農村歌舞伎」が行われます。この農村歌舞伎は、出演者から裏方まで全て地元の人たち。この中山地区の住人自らで行います。中山歌舞伎保存会会長の矢田徹さん(81)を筆頭に子どもから大人まで今年の歌舞伎に向けた練習が行われます。

保存会会長の矢田さんは4代続く歌舞伎一家に生まれ、shokukikou70-5.jpg
およそ60年間この歌舞伎に携わってきましたが、今年ある決意を胸に秘めていたのです。そして本番当日、「わりご弁当」という小豆島ならではの食文化もありました。千枚田と生きる人たちの物語です。

編集後記

ディレクター:松村 文彦(西日本放送)

初めて中山千枚田を訪れたのは2010年夏。今回ご紹介した「こまめ食堂」がオープンした時でした。地区を見下ろす高台に立ち、目に飛び込んできた千枚田の絶景に感動を覚え、それが今回の制作動機となりました。あのきれいな景色をみなさんに知ってもらい、「小豆島ってええ所!」って思って欲しかったのです。
舞台となっている小豆島は、島でありながら、1周が車で1時間以上かかる非常に大きな島です。そんな島に3万人が暮らし、オリーブがあり、素麺があり、醤油があり、海があって、山もあるのです。そんな島のど真ん中に700年前から少しずつ少しずつ江戸時代までかけて築き上げられていった中山千枚田があります。そして300年前から中山農村歌舞伎も始まったと言われています。
小豆島に歌舞伎文化が入ってきたのは江戸時代。島民が上方歌舞伎を見たのがきっかけと言われています。明治から大正時代、娯楽の少なかった小豆島において歌舞伎文化は最高潮に達し、島内に芝居小屋が30以上、役者も600~700人もいたと言われています。
しかし、その後の映画ブーム、テレビの普及によって衰退し、今では中山農村歌舞伎と、となりの地区にある肥土山(ひとやま)農村歌舞伎の2つだけになってしまいました。

千枚田、そして五穀豊穣を祈願する農村歌舞伎、ともに密接にむすびついている地域の宝。
続けていくことが本当に大変な時代になっていますが、これからもその見事な姿でい続けて欲しいと切に願います。

番組情報

◆こまめ食堂(おにぎり定食のお店)

【住所】〒761-4303 香川県小豆郡小豆島町中山1512-2
【電話】0879-75-0806(DREAMISLAND 代表)
【営業時間】AM10:00~11:00/PM2:00~8:00
【ホームページ】http://www.dreamisland.cc/cafe/komame-cafe.html
※お昼時の連絡はお控えください。

◆中山の舞台

【住所】〒761-4303 香川県小豆郡小豆島町中山1487
※中山農村歌舞伎は毎年10月第二週目の日曜に開催されます。

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