#54 巨大寿司につまった想い~高知発!伝統のこけらずし~

2014年7月13日(日)(テレビ朝日 放送) 高知放送制作  協力 文部科学省

shokukikou54-1-1.jpg高知県東部の町、東洋町に伝わる色鮮やかな押し寿司「こけらずし」

色鮮やかさもさることながら、いちばんの特徴はその大きさ!なんと5升の米をギュッとつめこんだ70人前の巨大な押し寿司なのです。

かつて東洋町では、こけらずしは家庭で行う土佐流の宴会「おきゃく」など祝いの席に欠かせない郷土料理でした。

白米が貴重だった時代に、自慢の米をたっぷりと食べてもらうためのごちそうだった「こけらずし」。しかし、いつしか地域の過疎化、作り手の高齢化などで、東洋町内でも目にすることがなくなっていました。

shokukikou54-2-1.jpgその伝統を絶やさぬようにこけらずしを作り続ける地元のおばちゃんグループがいます。

今年で結成10年目を迎える「野根キッチン」です。

週に1回、こけらずしを作っている野根キッチンのメンバーたち。

作業が始まるのは、深夜2時から。自らが運営している朝市で販売するため、ほぼ毎週5時間かけてこけらずしを作っています。メンバー全員が60歳を超えた今、体力的にもきつい作業をなぜ続けるのか?
そこには、こけらずしにつめこまれた地域の想いがありました。

shokukikou54-3-1.jpgこけらずしは、家庭で行う祝いの席に欠かすことのできない存在でした。

地域に活気があって賑やかだった時代に親戚はもちろん、隣近所の人も集まって作り、一緒に食べた記憶がつまった地域のごちそうなのです。

その記憶がつまった「ふるさとの味」を守り、次の世代に残していくため、野根キッチンのメンバーはこけらずしを作り続けているのです。

地域の想いをこけらずしにつめる野根キッチンの活動を追うとともに、地域で愛され、親しまれているこけらずしの魅力を伝えます。

編集後記

ディレクター:篠原 新(高知放送)

高知県東部の町、東洋町に受け継がれている巨大な押し寿司「こけらずし」。5升の米をギュッと詰め込みんだ70人前の「こけらずし」の映像は圧巻の迫力です。
かつて東洋町では、結婚式の祝い事など家庭で行われる土佐流の宴会「おきゃく」のごちそうとして「こけらずし」を振る舞っていました。親戚や隣近所の人たちが集まって、みんなで作る郷土の味でしたが、地域の過疎化・作り手の高齢化などで次第に目にすることがなくなっていました。
「こけらずし」用の木枠を見せてもらいに伺ったお宅にも明治時代から受け継ぐ木枠が残されていましたが、もう30年以上「こけらずし」を作っていないとのこと。昔話をしてくれたおばあさんの表情に、賑やかだった時代のいい思い出が現れていて、特に印象に残っています。
その「こけらずし」を今に受け継ぎ、毎週作り続けている『野根キッチン』のメンバーの皆さんの活動には頭が下がります。全員が60歳を越えても尚、楽しそうに深夜2時から寿司づくりを続けています。そこには単に郷土食としてではなく、メンバーそれぞれも生まれ育ってきた地域の思い出もつまっているのではないでしょうか。野根キッチンの取材を通じて、巨大な押し寿司「こけらずし」につまった地域の人々想いが伝わればと考えています。

番組情報

◆野根キッチン
【電 話】090-7542-4435(小林キヌエ)

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