#3 潮風が育てるサラダたまねぎ ~地域再生の営みに学ぶ~

2013年4月28日(日)(テレビ朝日 放送) 熊本放送制作 協力 文部科学省

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熊本県水俣市で生産されている「サラダ玉ねぎ」。辛みが少なく、水にさらさなくても生のままで美味しい玉ねぎで、30年前から栽培が始まった。水俣・芦北の温暖な気候が栽培に適していたことから、産地として定着した。
水俣・芦北地域は、公害の原点と言われる水俣病が発生した地域。サラダ玉ねぎも、風評被害にあったが、だからこそと、生産者が徹底して安心・安全にこだわったことで「サラダ玉ねぎ」のブランドで全国的にも知られるようになった。東京の大田市場では、玉ねぎの中では最高値で取引される。生産者の平均年齢は67歳。毎年数人が新規参入者として仲間に加わる。30年前わずか3人、5アールの畑で作付けが始まったサラダ玉ねぎは、今生産者は100人を超え、作付けも64ヘクタールに広がった。
「サラダ玉ねぎ」は水俣・芦北地域の歴史と風土が育てた作物だ。ブランドとして成長するまでには、生産者の、ふるさとに対する限りない愛情があった。

編集後記

ディレクター:井上 佳子(熊本放送)

水俣のサラダたまねぎは、熊本では春の風物詩として知られていますが、果たして全国でどのくらいの人が知っているのか疑問でした。水俣病の影響で風評被害にあったこともたびたびあったため、マイナスのイメージの方が強いだろうと感じていました。しかし、東京の大田市場で全国のたまねぎの中で最も高い値がつくと知り大変驚きました。改めてこの三十年間の産地の皆さんの努力とサラたまに対する愛情を感じました。
今回学んだことは。風土や地形を知り、そこに暮らす人たちを含めた「地域」を生かすという知恵です。水俣も、背伸びすることなく、そこにもともとある段々畑で、そこに暮らす人たちが協力して産地化に成功していました。背景にあるのはふるさとに対する愛情。特に水俣は水俣病の教訓があるから、その思いは強いのかもしれません。
今回改めてサラダたまねぎを食べて、そのおいしさを再確認しました。去年の蓮根のときもそうでしたが、地元にはおいしい「食」がたくさんあるということを実感した取材でした。

番組情報

  • JAあしきた

    【住所】熊本県水俣市大迫750
    【電話】0966-63-4482

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