#395 ポジティブ ~18歳、2つの夢を追いかける~

2024年08月10日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山口放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

山口県光市出身の矢次祐汰さん。視覚障がいと向き合いながら、2つの夢の実現に向けて前向きに過ごす18歳の姿を追いかけました。

 祐汰さんは、約2万人に1人の確率といわれる先天性の遺伝性疾患、アルビノです。アルビノは国指定の難病で、生まれつき髪が白いことや紫外線に弱いことに加え、視覚障がいを伴うことが多く、祐汰さんも弱視です。視界が狭く全体がぼやけて見えるといいます。教室ではいつも一番前の席に座り、黒板を見るときには単眼鏡を、教科書の文字を見るときにはルーペを使います。また、目に入ってくる光の量を調節できず光をまぶしく感じるため、周囲が明るくなるほど見えにくくなるといいます。

 そんな祐汰さんはこの春、目標だった広島大学教育学部への入学を果たしました。1つ目の夢である「教員」になるための一歩を踏み出したのです。教員になりたいと思ったのは、障がいがある自分の経験や障がいへの寄り添い方を少しでも多くの人に伝えたいから。障がいの種類や特別支援教育について学びながら、初めてのひとり暮らしにも挑戦中。

祐汰さんが広島での進学を目指したのは、もう1つの夢を実現するため。それが、ブラインドサッカーチーム「アフィーレ広島」で日本一になることです。中学1年生の時に出会ったブラインドサッカーは、自分の障がいと向き合うきっかけのひとつ。自分よりも見えない全盲の選手たちを支えながら日本一を目指しています。

「できることは何でも自分でやりたい」…常に前向きな祐汰さん。「障がいがあるから出会えた人や夢がある」…夢に向かって走り続けています。

編集後記

ディレクター:木下 和哉(山口放送)

「ポジティブ」というサブタイトルを決めるのにあまり時間はかかりませんでした。祐汰さんを表す言葉としてピッタリだと思ったからです。本格的に取材を始めてまだ1年余りですが、取材している私自身が前向きな祐汰さんに元気と勇気をもらっています。

「本当に見えていないの?」と思ってしまうほど、勉強、通学、ブラインドサッカー、料理とひとりでなんでもこなしてしまう祐汰さん。番組を制作するにあたって改めて本人の目の見え方を確認すると、日が当たる場所では5mほど前を走る自転車を視認することも難しい様子でした。まぶしい場所でずっと目を開けていると、とても疲れるそうです。

日本一を目指すブラインドサッカーの日本選手権は毎年冬に行われています。祐汰さんによると、今年は予選ラウンドが広島県内でも行われるそうです。祐汰さんもチームメイトたちも、何としても結果を残して広島のブラインドサッカー熱を高めたいと意気込んでいます。

さらに祐汰さんはこの夏、また新たな挑戦をスタートさせようとしています。地元小学校の放課後教室運営を手伝う大学のサークルに入ることを決めたそうです。
「教員」と「日本一」。夢に向かって走り続ける祐汰さんの姿をこれからも追いかけ続けていこうと思います。

番組情報

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