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言葉が通じない海外の被災地で支援をしたり、教壇に立ったと思えば、生徒と“あの有名な歌劇団”の演目に挑戦していたり、60歳を目前に突然、本気のランニングを始めたり…その行動には驚かされることばかり。
久田光政(ひさだ みつまさ)さん(68)。名古屋を拠点に被災者を応援する団体「愛知ボランティアセンター」の理事長を務めています。自然災害が起きると、週末を利用したバスツアーを組み、被災者への支援活動を行ってきました。これまで久田さんは、阪神淡路大震災や東日本大震災、能登半島地震など、多くの被災地で29年、活動を続けてきました。
名古屋市内の高校で教壇に立ち続けてきた久田さん。そのため「教えている子たちと同じ、中高校生を応援したい」と親を亡くした子どもの支援に重きを置いてきました。「被災した子どもは“極めていい子”になる。解放させる場所が必要」と考え、思いきり遊べたり、思いを話せたりする環境を作り続けてきました。日本国内だけでなく、単身トルコの被災地へ渡り、子どもとの交流を行ったことも。
久田さんに救われた男性もいます。佐藤航史(さとうこうし)さん(27)は、中学2年生の時、東日本大震災で父親を亡くしました。周りの人たちに思いを話せず辛い日々を過ごしていたなか、久田さんが発案した「親を亡くした東北の子どもと愛知の中高生らが集う交流会」に参加。誰にも話せなかった思いを話せる仲間を見つけることができたといいます。
久田さんがボランティア活動を続ける理由…そこには、高校時代に抱えていたコンプレックスが…。被災地に通い、応援を続けてきた元高校教師…29年の歩みを見つめます。
編集後記
ディレクター:服部倫子
久田さんの取材を始めてから8年、バイタリティや発想力に、本当に驚きの連続です。
「人に寄り添い、力になりたい」「新たな世界を見てみたい」その姿に、私もとても力をもらっています。
実は、能登半島地震が起きた時、久田さんはひどい腰痛に悩まされていました。それでも石川県の被災地へ4時間ほどかけて何度も通い、支援を求めている人たちを探しに行っていました。その他、愛知ボランティアセンターは、被災地を片付ける際「がれきはゴミではない。被災者が生活してきた証」という思いを持ちながら活動をしています。被災者を想い、寄り添う姿に、毎回、心を打たれています。
多くの人がコンプレックスや悩みを抱えていると思います。番組を通じ、どなたかの人生にとって、“いいきっかけ”になることができれば、幸いです。
番組情報
特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター
【電話】052-990-8966(受付時間:10時~17時)
【HP】https://www.aichiborasen.org/