#389 こころの居場所 ~みんなのいえカラフル~

2024年06月29日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 大分放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

大分県竹田市にある、誰もが気軽に集える場所「みんなのいえカラフル」。週3日、午前10時から午後2時までの間、利用者はおしゃべりをしたり、お茶や食事を楽しんだり、料理をしたり…思い思いに時間を過ごします。昼食は大人ひとり300円、子どもは無料。

運営しているのはNPO法人「Teto Company」。「ここに来たらひとりじゃない、そう思えるような居場所づくりを目指している」と話すのは代表の奥結香(おくゆいか)さん(36)。これまで介護福祉士として障がい者の施設や特別支援学校の教員として働いてきました。その中で、障がい者に向けられる差別や偏見を肌で感じ、互いに知ることの必要性を感じてきたといいます。「障がいの有無にかかわらず、誰もが集える居場所をつくれないだろうか」…そんな思いを抱きはじめた奥さんは、JICA海外協力隊や地域おこし協力隊の活動を経て、2018年「カラフル」をオープン。

同法人では、未就学児から高校生までを対象とした「放課後等デイサービス」や「児童発達支援事業」もカラフルと同じ場所で行っています。さまざまな人たちが同じ空間で過ごすことで、健常者と障がい者の間の隔たりを少しでもなくしたいと、考える奥さん。

今では世代や性別、国籍の違いや障がいの有無などに関係なく、乳幼児から高齢者まで幅広い世代の人がカラフルを利用、年間のべ4500人ほどが訪れ、家庭や学校、職場とは異なる、第3の居場所となっています。

さらに、奥さんの思いに共感したカラフルの利用者が、同じ竹田市内に新たな集いの場をオープンさせるなど、思いの輪は確実に広がっています。「ここで出会った人同士が、一緒にいるだけでホッとするような、互いの“こころの居場所”になる…、そんな空間・地域づくりを目指したい」と話す奥さん。多様性を認め合える社会を目指して…。カラフルに集う人々の日常を描きながら、奥さんの活動の様子や思いに迫ります。

 

編集後記

ディレクター:田中智基

午前10時のオープンと同時に次々と人が訪れる―。

取材に行くたびに、カラフルの魅力を肌で感じました。談笑するお年寄り、おもちゃで自由に遊ぶ赤ちゃん、みんなで食卓を囲む姿…。カラフルに来ている人たちが本当の家族のように思え、ひとりひとりがキラキラと輝いているように見えました。週3回オープンする日をみんな楽しみにしているのがすぐにわかりました。

運営するのは、NPO法人「Teto Company」。代表の奥結香さん(36)は、「障がいのある人も、ない人もみんな同じ人間。互いを知り合うことで線引きを薄めたい」と話します。そこには、福祉現場を歩んできた自身の経験などがあります。介護福祉士や特別支援学校の教員、JICA海外協力隊など、さまざまな現場を歩んできた奥さん。そこで差別や偏見を目の当たりにし、互いに「知る」ことの必要性を感じていました。「思っているだけでは意味がない。行動しないと」という思いのもと、カラフルを立ち上げ、そのほかにも性的マイノリティへの理解を深める取り組みをおこなうなど、アクティブに活動しています。

そんな彼女の癒やしは、インコ。一緒に暮らすパートナーの影響で飼い始め、今では家族の一員。休日は市内の公園に一緒にでかけて散歩するそうです(鳥かごに入れて)。

2023年の春には法人として2か所目となる新たな居場所を完成させ、奥さんの思いは着実に広がりをみせています。互いを「知る」ことで、線引きが薄まっていく―。カラフルをはじめ奥さんの活動は、社会を変えていく力があると確信しています。誰もが少しでも過ごしやすい社会に、そして誰かにとっての心の居場所が増えていけばいいなと感じています。

今後も奥さんの活動を追い続けていきたいと思います。

番組情報

みんなのいえ カラフル
【代表】NPO法人Teto Company 奥 結香
【開所日】火・木・土曜 10:00~14:00 ※ 祝日など休みとなる場合があります
【住所】大分県竹田市大字竹田542番地2
【メール】teto@taketa-colorful.work
【電話】0974-70-5194
【URL】https://taketa-colorful.work/

ご意見・ご感想

皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。
お寄せいただいたコメントにはすべて目を通しておりますが、必ずしも掲載されるものではございませんのでご了承ください。
なお、企画提案、商品宣伝、イベント告知等に関する投稿は固くお断り申し上げます。

※ 記入欄に、お住まい(都道府県)もご記入いただければ幸いです(任意)