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山形県酒田市に住む秋葉小町ちゃんは6歳の時、相撲を始めました。きっかけはアマチュア相撲世界一に輝いた兄がかっこよかったから。「小町もお兄ちゃんみたいになりたい」…兄が稽古をしている酒田相撲教室に通い始めました。アマチュア相撲の日本一を25人も輩出したこの名門教室で指導にあたるのは、白畑悌輔先生(86)。半世紀以上ボランティアで指導を続け、地元では名伯楽と知られています。その教えは“立ち合い早く、前に出る相撲”。若かりしころは鬼の形相で教えたこともありましたが、今は仏のよう。「静かにコンコンとやってみなさい。痛かったらやめていいから」と師匠の猫なで声に誘われて、小町ちゃんは鉄砲柱でおでこを鍛え始めます。すると半年後には、あら不思議。立ち合いで、おでことおでこがおもいっきりでぶつかる“ぶちかまし”ができるように。このぶちかましができれば、試合は絶対勝てる!とふんだ小町ちゃん、意気揚々と試合に臨みます。ところが試合では、はたかれて連戦連敗。会場の外れで、わんわんと号泣する娘にお父さんは声をかけます。「相撲頑張れるか?もうやめる?」…小町ちゃんは必死に首を横に振ります。そんな姿を遠目に見ながら師匠はいつもこう言うのでした。
相撲で一番大事なのは「心」なのだと…。
そんな矢先、兄が相撲を辞めることに。世界一になった後、国体の試合で左肩に大けがを負い成績が振るわなくなったのです。13年間続けた相撲づけの日々にピリオドを打ち、高校卒業後は上京して就職することに。兄と稽古する最後の日。体重が26キロも落ちた兄は身に着けたまわしもスカスカで、ぶつかり稽古をしても全く歯が立ちません。何度も何度も投げ飛ばされる兄。あれだけ強く逞しかった兄。小町ちゃんは兄の後ろ姿をじっと見つめていました。兄がいなくなった後、小町ちゃんはいっそう稽古に励みます。
足腰を鍛えるタイヤ押しも重さ80キロまで押せるように。足の指一本一本で土俵の土を鷲掴みするような鋭く粘り強い立ち合いに、師匠の眼光も鋭くなります。
相撲を始めて3年が経った小学4年の時、小町ちゃんはついに全国大会出場を果たします。小兵の小町ちゃんは、体がひと回り大きい全国の女子相撲選手相手に一歩もひかず、勝ち上がっていきます。そして迎えた準決勝。優勝候補の呼び声高い新潟の選手との大一番を迎えます。
前に出る相撲で勝てるのか…。土俵下で不安と迷いに襲われる娘を見て、お父さんがかけ寄ります。「立ち合い、横へ動いてみろ」「え!無理でしょ」この土壇場で作戦を変えるのか。今まで稽古してきた前に出る相撲を貫くのか。自分の相撲で大事なのは何なのか…。強敵を前にした大一番で、小町ちゃんは心を決めて土俵に立ちます。
コロナ禍で存続危機に陥る相撲教室、相手のいない孤独な稽古、失われる相撲への情熱、取材班も巻き込んだトップ選手と出会い、女子相撲に青春をかける秋葉小町ちゃんの「心」の成長を見つめた、9年間の物語です。
編集後記
ディレクター:佐藤愛未(プライド・トゥ)
幼いころの小町ちゃんは試合で負けると大号泣し「もうやだ。相撲やめる」と弱音を吐くこともあり、「本当に相撲をやめてしまうのではないか」と取材中はいつも心配ばかりしていました。それでも諦めることなく相撲を続け小学4年生の時、全国3位になった時は本当にうれしかったです。そして、コロナ禍で迎えた小学校の卒業式。
「ズーズー」薄暗い道場で響くタイヤを押す音。卒業式の日まで休むことなく、タイヤを押し続ける小町ちゃんを見た時は心が痛み、どんな言葉をかけていいのか…わかりませんでした。小町ちゃんのために何かできないかと、全国大会の取材で偶然知り合った今日和さんにコンタクトを取りました。すると、「小町ちゃんのように孤独に悩む女子選手は全国にたくさんいる。私もぜひ力になりたい」と、東京都大田区の相撲道場で女子相撲の合宿を企画してくれました。道場には「ひとりじゃないよ、小町ちゃん!!」と書かれた横断幕が掲げられ、秋田や静岡、愛知など約20名の女子選手が参加してくれました。
初めは周りの選手の気迫に圧倒され、戸惑う小町ちゃんでしたが、一緒に過ごしていくうちに打ち解け合い、笑顔になった姿を見た時はとても安心しました。これも今さんや大田嵐道場の皆さん、そして全国の女子選手の皆さまのお力添えのおかげです。この場をお借りして深く感謝を申し上げます。
私も小町ちゃんのいち応援団として、これからも長く寄り添い続けていきたいと思います。