#378 つなぐ!酪農愛 ~“丘のまち”美瑛に生きる ~

2024年02月24日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 北海道放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

北海道美瑛町で「ベイリッチランドファーム」を営む浦薫さん(48)には、酪農のほかにもう一つ仕事があります。牛のエサを作る会社「ジェネシス美瑛」の代表。エサの原料の8割は、美瑛の畑でとれた牧草とコーンです。地元のJAも「ウクライナ紛争などで飼料や肥料が高騰する中、自給することでコストを下げている。素晴らしい取り組み」と評価します。そのエサ作りにはあるこだわりが…秋に完熟したデントコーンの実の部分「イアコーン」を混ぜるのです。栄養価が高く、デンプン率は60パーセント以上。薫さんは「ブランデーのような香り。牛にとってもおいしいはず」と笑顔を見せます。

秋の初め、浦さんの牧場を地元の小学生たちが訪れました。酪農という仕事を通して、食と命を学ぶ「酪農授業」です。子どもたちは、搾乳やエサやりを体験。牛のおしっこを間近で見て「滝みたい!」と驚嘆する子も。授業の締めくくりは美瑛牛乳で乾杯。「いつもよりおいしく感じる」と飲み干します。

浦さんの4人の子どもたちは皆、個性的。長男は酪農家にしか撮れないオモシロ動画をSNSで発信し、アクセス数を伸ばしています。その企画を練るのは、自宅の庭に作ったバー! 次男はふだん着にもなる「作業着ブランド」を立ち上げるべく、デザインを考案中。三男は牛の爪を守る削蹄師(さくていし)の道へ…将来は「10年働いて一人前になったら牧場に戻り、兄弟経営をしたい」そう。末っ子の長女は、祖父が営むジェラート店を引き継ぎたいと、東京の製菓専門学校で学んでいます。それぞれの道を進みながらも、酪農愛は共通しています。

かつてバイク旅行で美瑛にやってきた妻は、今、バイクだけではなく「意外なもの」に乗っていました…。結婚して27年、夫妻は「幸せ」と口にします。

美しい「丘のまち」の酪農家族の1年を見つめます。

編集後記

ディレクター: 河野 啓(北海道放送)

長男は酪農家にしか撮れないオモシロ動画の配信、次男は街着にもなる酪農ファッションのデザイン、三男は牛の爪を守る削蹄師、末っ子の長女は「ここにしかないスイーツ作り」…美瑛町の浦さん一家はみなそれぞれに「志」がありました。

と書くと、父親の薫さんはきっと「私の子どもですから!」とギャグをかますことでしょう。大阪出身の好恵さんとのなれそめは「秘密」だったと、編集が終わったあとに聞かされましたが、「それならなおさら初公開させて頂きます」とお願いし、ご了解いただきました(決して、渋々ではなく)。

「きつい」「汚れる」「休みがない」というお決まりのフレーズに加えて、コロナ禍やウクライナ紛争による飼料・肥料の高騰…酪農家には大変な逆風が吹いています。その中で自分たちにできることは何か…浦さんたちは牛のエサを自分たちで作ります。その原料の8割は美瑛の畑でとれた牧草とコーン。コスト削減で難局を乗り切ろうとしています。

酪農愛をつなぐ! 「志」と「問うこと」の大切さを教えてもらった気がします。

番組情報

牧場のHPはありませんが「ベイリッチランドファーム」で検索すると、ネット記事などがヒットします。

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