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新潟県はナスの作付け面積で全国2位を誇り、20種類もの在来ナスがある「ナス王国」です。いま注目されているのが、上越市で長年伝わる「上越丸えんぴつナス」。縦長で、ずんぐりしている不思議な見た目、とろりとした果肉と食べやすい甘さが特徴です。しかし、生産農家はわずか3軒と消滅の危機…。このナスの魅力をなんとかして広めたい…3人の生産者が立ち上がりました。
高波耕太郎さん(73)は元システムエンジニアという異色の経歴。畑の真ん中でパソコンを開いてオンライン会議もこなします。相澤誠一さん(71)は野菜苗の生産が得意。新しい取り組みを始めるのが大好きで、今夢中になっているのが品種改良。オリジナルのマクワウリを空中栽培してニヤリ。最年少、久保田喜隆さん(45)の本業は大規模なトマト農家。実はバルーンアートが特技で過去に全国大会で2位になるほどの実力。在来ナスを絶やすまいと上越丸えんぴつナスの普及に尽力しています。
3人はこのナスの魅力を広めるため、地域の農家やJA、行政と協力して「上越ナス祭り」を始めました。祭りの一環で市内の小学校へナスの体験学習に訪れますが、まさかの現実が…。子どもたちは口をそろえて「ナスが嫌い!」と言い、ふだんはナスを食べないのです。上越丸えんぴつナスを後世に残していくために、幼いころから親しんでもらいたい…。ナスの育て方だけでなく、一緒に料理をしておいしさを伝える「食育」にも力を入れます。
祭りでは小学生の育てたナスの品評会を行います。初めてのナス栽培に大興奮の子どもたちですが一筋縄ではいきません。害虫や強風でキズが。はたして無事に上越ナス祭りを迎えられるのか?そして、児童たちにナスを好きになってもらえるのか?手探りで奮闘する異色トリオの物語です。
編集後記
ディレクター:町屋龍平(新潟放送)
新潟県内には約20種類もの在来ナスがあるとされ、形や味、香り、食感も個性があります。そんな在来ナスに共通している問題が後継者不足。「上越丸えんぴつナス」は生産農家がわずか3軒で、絶滅の危機に瀕している在来ナスです。知ったきっかけは去年の11月。雪下野菜に取り組んでいる相澤誠一さん(71)の農場を訪ねた際に「クセがなく食べやすいナスだから、多くの人に知ってほしい」と紹介していただきました。
生産農家は個性派揃い。1人目は高波耕太郎さん(73)。元システムエンジニアという異色の経歴を持ち、畑の真ん中でパソコンを開いてオンライン会議もこなします。農家の後継者不足を解消するため取り組んでいるのが、田舎を楽しみながら仕事をするアグリワーケーション。生産者の中で最年長ですが、やっていることは最先端。取材に訪れる度に知らないIT用語が出てきて、農業以外のこともとても勉強になりました。2人目は相澤誠一さん(71)。新しい取り組みを始めるのが大好きで、最近、夢中になっているのが品種改良。農業に関して1から10まで懇切丁寧に教えてくれる方で、若手に負けず熱心に活動しています。3人目は最年少の久保田喜隆さん(45)。本業は大規模なトマト農家で春~夏にかけて大忙し。そんな中でも在来ナスを絶やすまいと上越丸えんぴつナスの普及に尽力しています。実はバルーンアートが特技で過去に全国大会で2位をなるほどの実力。高波さんや相澤さんとは親子ほどの年齢差がありますが、イベントや小学生向けの体験学習で指揮を執るなど、地域を盛り上げるキーマンとして活躍しています。
年齢も経歴もバラバラ。そんな3人が上越丸えんぴつナスを広めるため手探りで奮闘する様子が伝わればうれしいです。
番組情報
旬菜交流館 あるるん畑
【電話】025-525-1183
【HP】https://arurunmura.jp/hatake/