#348 476グラムの女の子 ~あおり、一年生になりました~

2023年7月08日(土)05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 高知放送 制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

田中愛織(あおり)ちゃんは2016年生まれ。出生体重は476グラムの超低出生体重児です。母・真理子さんは、妊娠4か月で胎児の発育不良を医師から告げられ「産むか、産まないか」という選択を突き付けられました。夫・啓之さんとともに悩みましたが、当時10歳の長男・健翔(けんと)くんの「ぼくたちが妹を守るき」という言葉で出産を決意。

二男・陽葵(はるき)くんも一緒になって小さな妹を可愛がり、大切に守ってきました。しかし、困難と不安は続きます。免疫が弱いため感染症の重症化リスクが高いこと、体が小さいがゆえに靴すら見つからないこと。そのたびに田中さん一家は、家庭の明るさと団結力、周囲の理解や協力によって乗り越えてきました。そして…愛織ちゃんはこの春、小学1年生になりました。まだ体は小さいけれど、お手伝いも、お勉強もできるようになりました。そして、愛織ちゃんの純粋さから生まれる何気ない言葉が、周りの人を笑顔にしています。

出生時の体重が1000グラム未満の「超低出生体重児」は、国内で年間に生まれる赤ちゃんの0.3パーセント、およそ3000人にのぼり、発育の遅れや障がいのリスクが高いとされています。そのため保護者は、育児上の困難や不安を抱えやすい傾向にあると言われています。そんななか、母・真理子さんは、地方での子育てを通して「都市圏と比べて不便さは多いけれど、人とのつながりに救われることも多かった」と話します。番組では、高知県土佐市で暮らす愛織ちゃんとその家族の6年間の取材をもとに、同じように小さく生まれた我が子と向き合う家族へエールを送ること、そしてすべての人に、前向きに生きるヒントをお届けします。

編集後記

ディレクター:井手上恵(高知放送)

わたしたちが田中愛織ちゃんをはじめて知ったのは、2017年。高知放送の夕方のニュース番組「こうちeye」の中で、1歳くらいの赤ちゃんとご家族を紹介する「めばえ」というコーナーに、田中家のみなさんから応募をいただいたのがきっかけでした。愛織ちゃんの小さな体と、愛くるしい姿、そして田中家のみなさんの和気あいあいとした家庭の様子から、愛織ちゃんがどんなに大切に育ててこられたのか、当時スタジオでキャスターとして紹介したわたしにも十分に伝わってきました。その後、当時めばえの担当だったディレクターが、愛織ちゃんの成長過程を追いかけ、3歳のときに特別番組を制作し、高知県内で放送するなどしてきましたが、ディレクターが今春に異動となったため、今回の番組を引き継ぎました。

はじめて愛織ちゃんと対面したのは、ことし2月のことです。竹馬に乗って、洗濯物を取り込む愛織ちゃんをみて、ただただ驚きました。あの小さかった、手のひらサイズだった女の子が、6年でこんなに成長しているなんて。そして愛織ちゃんとはじめて話をするなかで、彼女の口から「お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、愛織のことを大切にしてくれる」と、『大切に育てられている』という自覚を教えてくれました。あまりに素直な言葉に驚いていると、さらに一言「だって家族やもん」。この言葉を聞いたときに、ディレクターとして「番組にしたい」と強く思いました。

また、母親の真理子さんは「超低出生体重児を育てるうえで情報が乏しく、苦労をしたので、いま小さな赤ちゃんの子育てに悩んでいるご家庭に、愛織のことが少しでもヒントになったらうれしい」と話されていて、その想いが今回の番組の土台になっています。素直な愛織ちゃんの言葉と、田中家の朗らかな明るさが、皆様の心に届きますように。

番組情報

チョーチ・チョーチ ベビーシューズ
※愛織ちゃんが履いていた靴ブランド
【発売元】合同会社プレビジョン
【電話】088-879-4282
【受付時間】平日 AM 9:30 〜 PM 5:00
【URL】https://www.chochi-chochi.com/

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