#346 介護の救世主 ウチカ ~モンゴルから来たチャンピオン~

2023年6月24日(土)05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 山形放送 制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

「きつい・汚い・危険」といった3Kと呼ばれるネガティブなイメージが強い、介護職。
入浴介助や排泄介助など体力的・精神的にも過酷な環境なため、耐えられず離職してしまう方も多いのが実態。もちろん、山形県も深刻な人材不足に悩んでいます。日本人のなり手がいないならばと、山形県では特定技能制度を利用して、日本語と介護の技能試験に合格した、優秀な海外の人材に活路を求めました。

そして去年、アマチュアボクシング・元チャンピオンのモンゴル人女性が、山形市の障がい者支援施設で働き始めました。オトゴンジャルガル・ウチラルトさん (29・愛称ウチカ)。シャドーボクシングをすれば力強いジャブ、フック、ストレートとチャンピオンのオーラをまとっていますが、いざ現場に立つと表情は一変。体を小さく縮め、利用者のわずかな言葉に耳をそばだてながら必死に仕事を覚えようとします。
日本語の勉強はしてきたものの、施設では「なんだべ~(なんだろう)あべ~(行こう)」など聞きなれない山形弁が飛び交うため、標準語より難易度はさらに高くなります。利用者の多くは、身体を自由に動かせず、会話も難しい。食事介助するにも食べさせる量やタイミングなど、人によってさまざま。ほんの一瞬、言葉に反応した利用者の表情やしぐさから気持ちをくみとり、懸命に日本の介護を学びます。

増える高齢者、足りない人材、私たち日本人はどうすれば介護の現場を守っていけるのか…
立場や国、言葉の違いを越えて、利用者と心を通わせていくウチカさんから“日本の介護の心”を見つめます。

 

 

編集後記

ディレクター:佐藤愛未(プライド・トゥ)

「体力的・精神的につらい、過酷」といったネガティブなイメージが強い“介護職”
介護の仕事は食事・入浴・排泄介助など、身の回りのサポートから心身のケアまで行うため、決して楽な仕事ではありません。それでも、介護の現場は笑顔にあふれています。

介護職の魅力を聞くと皆さん「人から感謝されるところ」だと言います。食べること、体を動かすことなど、私たちが何気なく行っている動作は、利用者にとってとても難しいことです。そうした方の気持ちに寄り添い支えることで、利用者に「ありがとう」と感謝される。きつい部分ばかりに目を向ければ、大変な仕事だと感じるかもしれません。しかし、介護職にしか味わえない感動や喜び、やりがいがたくさんあります。

今後、日本は高齢化がさらに進み、介護職の需要はますます高まっていきます。片言の日本語で、懸命に利用者と心を通わせようとするウチカさんの姿を通して、介護職の魅力を少しでも感じてもらえたらうれしいです。

番組情報

社会福祉法人友愛会 障がい者支援施設 すげさわの丘
【電話】023-643-6160
【HP】障がい者支援施設 すげさわの丘
社会福祉法人「友愛会」

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