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人と人とのつながりが希薄になった今の時代、地域のなんでも屋さんとして奮闘する伊原伸尭(のぶあき)さん(28)が主人公。かつて祖父母が暮らした千葉県富津市金谷(ふっつしかなや)地区を元気にしたいと「よろづや」として活動しています。
伊原さんへの依頼は、草刈りから漁船の掃除まで様々。料金は1時間1500円。さらに「よろづや」の仕事がない時は、町の中心部で焼き芋の販売も。伊原さんが焼き芋を売り出すと入れ替わり立ち替わり、町の人が遊びに来ます。それは、まるで町の憩いの場のような風景。今では町の皆さんに愛される存在です。
将来の夢は“子どもたちに何でも教えられる先生”になること。大学に進学し、教員免許を取得しましたが、この目標を達成するためにまずは社会経験を積もうと一般企業に就職。しかし、そこで挫折…。その後、縁あって移住してきたのが、祖父母の暮らしていた金谷地区でした。過疎が進むこの町で「よろづや」として教師になるための社会経験を積みながら、町を元気にしたいと様々な活動を行っています。活気を取り戻すためには、地元の人と移住者や観光客など外の人を結びつけることが重要だと考えている伊原さん。地元の観光地である鋸山(のこぎりやま)のボランティアに参加したり、移住者の相談にのったりと大忙し。そんな伊原さんが、教師になる前ここ金谷地区でかなえたいのが、地元を活気づけるきっかけにと考えたマルシェの開催。地元の人と観光客など訪れた人が交流できる場所を作りたい!伊原さんの町への熱い思いをお届けします!
編集後記
ディレクター:片倉 遼(テレビ朝日映像)
金谷地区は、本当に小さな港町です。そんな町を舞台に「よろづや」を営む伊原伸尭さん。町の人からは“ノブクン”と呼ばれ、本当に伊原さんの周りにはいつも人が集まり井戸端会議が始まります。そんな素敵な風景を作った伊原さんは、我々に対してもいつも明るく迎え入れてくれました。常に笑顔!常に前向き!常に人を思いやる!それが取材の中で出会った伊原さんです。しかし、そんな伊原さんが夕暮れの港で一度だけ、辛かった過去を吐露してくれたシーンが、今も印象に残っています。取材の中で知った伊原さんのまっすぐな思い…それを曲げてまでサラリーマンとして営業まわりを行った1年間。辛い時間だったのだろうと思いました。様々な経験を経てきたからこそ「よろづや」として満面の笑みで地域を盛り上げたいと走り続ける伊原さんのぶれない信念が確立されたのだと思っています。今回の取材・編集を通してただ地域創生を頑張る若者としてだけではなく、芯を持った主人公の生き様も見てほしいと思っています。僕自身もぶれない芯をもって今後もテレビマンとして取材を行っていきたいと思います。