#328 新島日記~ふたりぼっちの島暮らし~

2022年12月10日(土) 05:20~05:50 (テレビ朝日 放送) 南日本放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

鹿児島湾の桜島沖に浮かぶ新島(しんじま)。島民は、たった二人…佐々木直行さん(69)と和子さん(62)夫婦。和子さんはこの島がふるさとです。しばらく無人島になっていた島に2019年、夫婦で移住。無人島は再び、有人島に。ピーク時には約250人が暮らし、かつては学校の分校や商店がありましたが、過疎高齢化が進み無人島に…。

和子さんは、中学進学時に新島を離れ、結婚を機に北九州市で暮らしてきましたが、心の中にはいつも、ふるさとの新島がありました。荒れていく島の姿に「ふるさとを再生したい」という思いが募り、夫・直行さんや鹿児島で暮らす姉や有志の仲間たちと力を合わせ、島の再生に乗り出します。そしてついに、夫婦は新島へ移住。

新天地での暮らしは、不便なことばかり…空き家を改装した新居は、庭の雑草がすぐに生い茂るため、草払いも日課。波が高ければ船は出ません。

一方で、なにものにも替えがたい環境があります。朝目覚めると聞こえるのは小鳥のさえずり、風や波のざわめきだけ…車の騒音に邪魔されることはありません。目の前の海と桜島は毎日表情を変え、夜の深い闇に輝きを増す星空…夫婦の会話も増えました。和子さん曰く「しっかり生きている感じがする」。

新島で、夫婦は新たな取り組み“民泊”を始めます。今年は訪れた人たちが憩い、安心を確保できる場所を作りたいとカフェ兼避難所の建設に着手。二人は「全然のんびりした島暮らしにならない」と笑います。新島に移り住んで3年、息を吹き返し始めた新島…夫婦の島暮らしを見つめます。

編集後記

ディレクター:北原由美(南日本放送)

 島を初めて訪れたのは2020年。番組の主人公、佐々木さん夫婦が移住して半年後のこと。コロナが蔓延し始め、遠出が難しくなっていた頃です。仕事ではありますが、ちょっとした小旅行をした気分になりました。鹿児島市内にこんな場所があったんだ・・・。

豊かな自然ももちろん素晴らしいのですが、ノスタルジックな雰囲気が漂うところにも、惹かれます。朽ちた家屋や小学校の跡、今は使われない井戸・・・人が暮らしていた名残がいろんなことを想像させてくれます。

そして、なんといってもそこに暮らす佐々木さん夫婦の人柄が、また島に行きたいと思わせてくれるのです。ふるさとが荒れ果てていくのを見過ごせず、無人島になった島にUターンした二人です。「ありがたいことです」が口癖で料理上手な和子さん。いつも穏やかで働き者の直行さん。島に来た人は二人のファンになって帰っていきます。

観光客や釣り客など来島者は年々増え、ふたりぼっちの島ににぎやかな声が響くことも多くなりました。島を訪れる人のためにと建設を始めた休憩所も、もうすぐ完成する予定です。心の充電に、朗らかな夫婦に会いに。桜島の沖合に浮かぶ小島・新島に、ぜひ遊びにいらしてください。

番組情報

ニューアイランド
【電話】090-3607-0120(佐々木和子さん)

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