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日本一の生産量を誇る手袋製造など、縫製業が盛んな香川県東かがわ市。この町に2019年に設立された革製品加工の工房「アトリエ リップル」があります。
代表で職人の山口洋平さん(35)。3人の子どもを持つお父さん。自宅兼工房で「主夫業」をしながら、オリジナルカバンの製造や、アボカドをモチーフにしたカバン作りに力を注いでいます。アボカドの味はもちろん、見た目も大好きだと語る山口さん。2020年から小さな農園でアボカドの栽培にも挑戦中。ゆくゆくは実を収穫して、販売も考えています。
埼玉県春日部市出身で、大学を卒業後、大手衣料品販売チェーンに入社した山口さんは2011年、これまで来たこともなかった香川県へ転勤でやってきました。その後、会社の先輩だった奥さんと知り合い、結婚。長男の誕生を機に、移住を決意。
その後、カバンメーカーに転職し、職人の道を歩み始めます。子どもも3人になり、子育てと仕事の両立をはかるため、山口さんは独立、自宅に工房を構えることに。主夫業とカバン職人としての両立。背景には、今も手袋職人として活躍している義理の母・幸子さんの生き方が参考になったといいます。
そんな山口さんが去年春から取り組んでいるのが「ランドセルリメーク」。地域の職人と連携して小学校6年間の思い出がつまったランドセルを、財布やキーケースなど新たなものに生まれ変わらせています。山口さんが目指すのは、地域の技を生かしたもの作り。カバン職人の挑戦を見つめます。
編集後記
ディレクター:松村文彦(西日本放送)
手袋などの縫製業が盛んな香川県東かがわ市で、カバン職人として奮闘する主人公の山口 洋平さん(35)。番組冒頭、仕入れた革のチェックしながら山口さんは、「牛の革一枚一枚にストーリーがある」とおっしゃいます。取材序盤に撮影したこのシーンが伏線であったかのように、山口さんを通して、さまざまな「ストーリー」や「つながり」を感じることができました。
山口さんのお手本となった義理の母、幸子さん(73)は、手袋職人として50年以上活躍中。その母、アサノさん(故人)も内職で手袋を縫う職人さんでした。およそ130年の歴史がある「手袋のまち」東かがわ市では、幸子さんのような職人さんを「縫(ぬ)い子さん」という愛称で呼び、製品の形を整える職人さんを「ひのしさん」、後処理をする職人さんを「つみかえしさん」と呼ぶ文化も根づいています。
今も脈々と受け継がれている東かがわの手袋作りが、埼玉県からやってきた山口さんに影響を与え、さらにランドセルリメークという形で、また新たなつながりが生まれています。
そして、ランドセルリメーク自体にもストーリーが。買った時の思い出、初めて背負った思い出、傷をつけてしまった思い出など、それぞれのランドセルに二つとないストーリーが詰まっています。そこに山口さんや職人の三本さんが関わることで、持ち主のもとで、また新しいストーリーが作られていきます。
アイデアマンでもある山口さんの原動力は、子どもたちにとって誇れるふるさとになってほしいという熱い思い。これからまた新たなストーリーも始まるようです。
番組情報
山口洋平さんの工房「アトリエ リップル(atelier Ripple)」
【HP】https://atelier-ripple.com
製品の販売はインターネット販売、イベント販売で行っています。
ランドセルリメーク については、下記の専用ページをご覧ください。
ランドセルリメーク「2190+」
【専用ページ】https://2190remake.official.ec
ランドセルリメークに関する詳細、問い合わせなど