#295 歌う葬儀屋さん~下北半島でつなぐ命~

2022年4月16日(土)05:20~05:50(テレビ朝日 放送) 青森放送 制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

青森県むつ市のローカル歌手「メンソーレ川端(かわばた)」、本名・川端拓二さん(50)。

真っ赤なジャケットに濃いメイク、鋭い目力が特徴的で、むつ市や周辺市町村で人気と知名度がじわじわと上昇中です。活動を始めたのは45歳の時。地元のイベントや結婚披露宴でのステージ、スーパーでのライブ、施設への慰問活動を続けています。

川端さんの本業は葬祭業。ステージと葬儀…かけ離れたふたつの顔を持ちます。活動を始めたばかりの頃は「馬鹿なことするな」「こんな葬儀屋には頼まない」と言われたことも。それでも活動を続けてきたことで、はじめは変わり者を見るようだった地域の目も変わり、ファンや協力者も増えています。

川端さんの原点は58歳で亡くなった母の存在。葬祭業という仕事に誇りを持てるようになり、人とのつながりを次世代へ残していく大切さを学んだといいます。そして人の死に触れる機会が多い葬祭業だからこそ見えてきた、人生観。「赤ちゃんから高齢の方まで亡くなる場面を見てきた。生きたくても生きれない方、志半ばで亡くなる方も。だから毎日を一生懸命生きる、悔いが残らないように生きることが、生きている人の使命」と話します。

仕事も歌手活動も全力で取り組む川端さん。子どもたちからは「全然家にいない」と厳しく指摘され、珍しく親子で出かけた夜も、葬儀を依頼する電話が鳴ります。依頼されたのは、「メンソーレ川端」だからこそできる葬儀のかたち…。

本州最果ての下北半島で、自らの命を燃やしながら次世代へ思いをつなぐ男性の日々を見つめます。

編集後記

ディレクター:内山匠(青森放送)

川端さんと出会ったのは2017年のむつ支局員時代。
すい星のごとくシーンに現れ、「メンソーレ!」とステージで叫び、ド派手なパフォーマンスを披露する…。最初は戸惑っていた人が多かったように見えましたが、露出を重ねるごとに客席に足を止め、声援をおくる人が増えていったのを覚えています。仕事とは別の個人的なつながりから始まりましたが、イラストがとても上手だったり、ステージから降りると人見知りで物静かだったり、本業は葬祭業だったりとずっと気になる存在でした。

歌手と葬儀、北国とメンソーレ。陰と陽のようなコントラストが見える川端さんのことを深く知りたいと思い、去年11月にカメラを回し始めました。そうしてポツリと話し始めてくれたのが、母親への思いでした。取材では「悔いのないように生きる」「人をのこす」という言葉を何度も話してくれたのが印象的です。

そして地元をとにかく明るく盛り上げたいという川端さんの熱意と、こんなに魅力的な人が下北半島という場所にいるんだということが、放送を通して少しでも伝われば幸いです。

番組情報

有限会社愛和堂 川端葬祭
【電話】0175(22)0331

メンソーレ川端オフィシャルショップ
【URL】https://mensore.official.ec/

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