#269 青のり家族 ~田舎 楽しんでます!~

2021年08月07日(土)(テレビ朝日 放送) 南海放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

愛媛県宇和島市遊子(ゆす)は人口およそ750人の小さな漁師町。半島の斜面に広がる段々畑ではジャガイモが栽培され、ハマチや真鯛などの養殖が盛んな町です。戦後ピーク時には3000人を超えていた人口も、近年急速に減少、特に若者の流失は顕著になっています。
遊子でハマチや真鯛の養殖を50年以上営んでいる山内さん一家。息子2人は高校、大学を卒業後、地元に戻らず、2人とも自衛隊へと進みます。3年後、Uターンした長男の歌吉(うたきち)さん。養殖業を手伝いながら、自身の名前をつけたブランド真鯛「歌吉鯛」を味わえる1日1組限定の料理店をオープン。しかし、エサ代の高騰と魚価の低下を目の当たりにし、頭を悩ませます。

母・満子(みちこ)さんも息子同様、真鯛養殖の将来に不安を感じていました。「子どもたちに仕事を作りたい」と新しい産業を興そうと決意し、模索します。その時出会ったのが、青のりの一種「スジアオノリ」。水槽の中を浮遊する物体に「かわいい!」と一目惚れし、2016年に青のり養殖をスタート。自宅の一室に作られたのは、まるで研究所のような青のり養殖場。家族は「ラボ」と呼んでいます。長男が青のりの赤ちゃんを育て、次男がさらに大きく成長させ収穫。それを母が「孫に食べさせられるレベル」まで丁寧に洗う。まさに家族みんなの連携プレーで育てる青のりです。

全国でもまだ前例の少ない青のり養殖。コロナ禍による出荷の停止、鯛養殖の存続など様々な問題に直面しながらも、家族一丸となって奮闘します。「青のり養殖を始めたのは、家族が田舎で暮らすため」。釣り竿片手に海で夕飯のおかずを調達することもしばしば。青のりとともに田舎暮らしを楽しむ、家族の物語です。

編集後記

ディレクター:乗松凌太(南海放送)

田舎の漁師町で道端に並ぶたくさんのビーカー。なにかの実験室?とも思わせる建物。最初はこんな研究所のような施設で青のりが育つのか!?と衝撃的でした。育てている家族も個性的。長男は学生時代相撲部で、元陸上自衛隊員。さらに次男も高校時代ボート部でインターハイに出場した元陸上自衛隊員という個性豊かな方々です。

そんな山内さん家族が暮らす遊子の町。最寄りのスーパーまでは片道30分、町には午後8時に閉まる商店が一つ、地元の中学校も閉校になり人口減少が顕著に進んでいます。子どもたちが帰ってくるために仕事を作ったお母さんと、「何もないでしょ?」と笑って田舎暮らしを楽しむ息子たち。長男の妻は田舎の海と山に惹かれ、なんと東京から移住。家族も増えた山内家、青のり養殖の成功の先に目指すのは『自給自足』だといいます。田舎で暮らす家族の姿と、海と山に囲まれた遊子の景色をお楽しみください。実際に青のりを手作業で切り抜いて作ったタイトル文字「青のり家族」にもご注目ください。

番組情報

スリーラインズ株式会社
【電話番号】0895-62-0808
【ホームページ】http://utakichi.net/

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