#244 食べてビックリ!~夫婦で作る具志頭ピーマン~

2020年12月12日(土)(テレビ朝日 放送) 琉球放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ

沖縄県南部に位置する八重瀬町(やえせちょう)。この町を代表する農作物が具志頭(ぐしちゃん)ピーマンです。特徴はなんと言ってもその大きさ。通常のピーマンの“約3倍の大きさ”があります。肉厚で甘みがあり、沖縄県内でも人気が高く、小さな子どもたちがピーマンを丸かじりで食べるほど。

そんな具志頭ピーマン作りに夫婦で取り組んでいるのが、仲宗根朝洋さん・光恵さん夫妻。朝洋さんはカメラマン、光恵さんは代理店勤務、農業とは程遠い仕事をしていた2人ですが、結婚と出産を機に、ピーマン作りの道に進むことを決意します。「家族みんなでご飯を食べられる職業がいいな」。そんな思いを持っていた2人にとって、農業に進むことは、困難への挑戦というよりは、自然なことでした。

八重瀬町のピーマン農家は100名程。ここ数年、20代、30代の若手農家が増えてきました。JAおきなわを中心とした勉強会の開催や、ピーマン作りに関するノウハウを共有する仕組みが出来上がってきたこと、ベテラン農家からのサポート。その根底には「農業の楽しさ」があります。「土日も休みがいらないくらい楽しい」という若手農家も。その中心にいるのが朝洋さん。若手農家との懇親会を定期的に開くなど、仲間の経験をシェアし、悩みを共有する場を大切にしています。

農業はやろうと思えばどこまでもできる世界。没頭したらとことん突き詰める性格の朝洋さんは、ピーマン作りの魅力に引き込まれ、周囲が目を見張る程、収穫量を増やしていきます。課題は家庭とのバランス。3人の子どもとの時間も大切に、という奥さんと会話をしながら、農業と家族の時間を楽しむ毎日…。ピーマン作りに2人3脚で取り組む夫婦の姿を通して、家族のあり方を見つめます。

編集後記

ディレクター:宮城 恵介(琉球放送)

「とにかく農業は生活と近い」。取材中、仲宗根夫婦からよく聞いた言葉です。「ピーマン余ってない?」と家まで聞きに来る人がいたり、急な雷雨で、食事中にも関わらず慌てて畑に出たり、とにかく”仕事”と”生活”の区切りがあいまい。農業って大変だな、と感じるのはこちら側の勝手な印象で、当の本人たちは楽しそうに話しています。

「どこまでも真っ直ぐ」との光恵さんの言葉通り、試行錯誤を繰り返しながらズンズン前に進む朝洋さん。子供たち(男の子3人兄弟)の授業参観より畑を優先しようとする朝洋さんに、光恵さんが「ピーマンも大事だけど子ども達との時間も大事だよ」と諭すことも。しかし、実際の子ども達は、活き活き楽しそうにしています。

大好きな場面があります。朝ごはんのシーン。ナゲットを温めるよう命ぜられた長男の朝雲(ちょううん)くん。朝洋さんのリクエストは2個。実際に温められたのは10個程。朝雲くんを非難する朝洋さん。光恵さん割って入って「ちゃんと(2個って)言わないと!」。朝雲くんは反撃開始。「2個って言われてないし!」「ナゲット、自分も食べたい!」。
その後、こっそりナゲットを拝借した朝雲くんは、弟たちにお裾分け。
自身を襲った理不尽(?)を告発し、自らの要求を主張し、さらには弟達にまで気を配る朝雲くん。あっぱれ!朝雲くん!

仲宗根家では、子ども達を含めた家族全員が、率直に思っている事を交換します。簡単そうに見えて、なかなか難しいことのようにも思います。
そんな家族の姿を見ているうちに、なんだか農業って楽しそうだな~と感じたのは、とても不思議で、幸福な体験でした。

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