#189 あいつなぐ ~ジャパンブルーに魅せられた高校生たち~

2019年9月21日(土)(テレビ朝日 放送) 四国放送制作 協力/文部科学省 総務省 中小機構 JAグループ


徳島伝統の藍染めは「ジャパンブルー」と呼ばれ、古くから日本人に親しまれてきました。およそ400年の歴史がある徳島の藍文化は今年5月、文化庁の日本遺産に認定され注目を集めています。その伝統の藍染めを学んでいるのが、徳島県立城西高校で阿波藍を専攻する生徒たち。授業では原料となる「タデアイ」を栽培、収穫した葉を発酵させる古来の製法で染料に加工、さらにスカーフやTシャツ、バッグなどの染付け、製品の販売まで行います。
2年生の廣瀬あいさんも、ことし4月から藍染の専攻班に加わりました。あいさんは将来、藍にたずさわる仕事につきたいと考えています。


元号が令和に変わった5月1日、改元を祝うイベントの会場で、城西高校の生徒たちが藍染め製品を販売する事になりました。お客さんの反応は上々。3年生は積極的に商品を売っていきますが、あいさんはうまく説明ができません。人前で話すのが苦手なあいさん。
しかし、落ち込んでばかりもいられません。あいさんは、炎天下の作業や手間のかかる染め液の管理もすすんで行います。たとえ一人でも手を休めようとはしません。何故そこまで?という私達の問いかけに、お母さんが中学生時代の辛い思い出を語ってくれました。


夏休み、あいさんは自分が思い描く藍色を表現したいと地元の染色家、田村美奈子さんのもとを訪れました。初めての藍染工房に目を輝かせるあいさん。田村さんの手ほどきで生まれたのは、これまでに見たことのない「涼やかな藍色」。将来、藍に関わる仕事に就ければ・・という漠然とした思いは、より具体的なカタチへと少しずつ、少しずつ変わっていきました。

徳島伝統の藍染め文化や伝統技法を学ぶ学校の取り組みを通じて、成長していく高校生たちの姿を見つめました。

編集後記

ディレクター:冨増健一(四国放送)

徳島県立城西高校阿波藍専攻班の生徒は、徳島に古くから伝わる藍染の伝統や文化を次の世代につないでいくための取り組みを続けています。それが「阿波藍6次産業化プロジェクト」。生徒は藍染めの原料となるタデアイの栽培から染料の製造、藍染め製品の商品化、販売までを一貫して手掛けています。しかし、伝統技法を学ぶのは大変なことです。炎天下での水やりや除草作業に加え、染料を作る工程では70度前後の発酵熱や強烈なアンモニア臭に耐えながら2か月も作業を続けます。ようやくできた染め液も毎日の温度管理や撹拌作業が必要です。

生徒たちが苦労して作った藍染め製品は、伝統的な染めの技法に若い感性が加わり、従来の民芸品のイメージを覆す新たな魅力にあふれ、販売イベントでも高い評価を得ています。

藍染めの文化や伝統技法を学ぶ学校の取り組みを通して、生徒たちは成長していきます。城西高校で藍を学んだ生徒の中には「将来、藍関係の仕事に就きたい」と話す生徒もいます。しかし、現状は厳しく、採用はほとんどないそうです。番組が藍産業のこれからについて考えるきっかけになってくれればよいと思います。

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