#155 届け!一生懸命 過疎の町のウォーターボーイズ

2018年11月10(土)(テレビ朝日 放送) 山口放送制作 協力/文部科学省 総務省 独立行政法人 中小企業基盤整備機構


日本海に面した山口県阿武町。人口約3300人。過疎化が進む小さな町を、なんとか盛り上げようと立ち上がった若者達がいます。シンクロナイズドスイミングチーム「ABUウォーターボーイズ」です。
2011年に結成。町内にある温水プールで活動しています。メンバーは10代~30代の男たち。会社員、役場職員、海上保安官など…。シンクロ経験者はひとりもいません。


それでも、チームのモットー”一生懸命”だけはいつも忘れない!そのがむしゃらな姿が共感と感動を呼び、年2回行う定期公演の来場者は増え続けています。”町の顔”としても定着しました。
彼らの魅力とは…? 彼らが頑張り続ける原動力とは…?町を元気にし、人を元気にする若者たちの奮闘記です。

編集後記

ディレクター:田村康夫(山口放送)

「オトナの一生懸命を見せたい!」

リーダーのいっしい(石田雄一さん・34歳)が、よく口にする言葉です。
かつて男子シンクロブームを巻き起こした青春映画の主人公は高校生でしたが、ABUウォーターボーイズのメンバーは、ほとんどが20~30代の社会人。立派な“オトナ”たちです。それなりに“脂ののった”“分別ある”オトナの良さは発揮できるものの、かえってそれがブレーキをかけてしまったり、さまざまな周囲の目が気になったり…と、目に見えたり見えなかったりするいろんな壁と密かに戦いながらの活動。若い若いとは言いながら、練習を頑張りすぎると足がつるし、息もあがります。

練習は公演3か月前から、週3回仕事終わりに。ときには土日も夕方から集います。高校生の部活のように、毎回フルメンバーが集まれるわけではありません。この夏、あるメンバーは、仕事多忙のため、10回にも満たない練習だけで本番を迎えました。(自宅での自主練習はさぞ大変だったと思います。)仕事で1か月近く山口を離れたメンバーもいました。療養で思うように参加できないメンバーもいました。メンバーが揃わなければ、コンビネーションにしてもフォーメーションにしても、確認できないことばかり。焦るマネージャーが、練習後の反省会で“キレる”のも致し方ありません。

…それでも彼らは、それぞれができる限りの「一生懸命」を尽くすのです。彼らと同じ30代の私は、いつも彼らと自分とを比べながら取材の現場に立ち会い続けました。自分は“一生懸命”何かができているだろうか、と。ABUウォーターボーイズは、毎公演、お客さん一人一人にも同じように問いかけているのかもしれません。

ひとりでも多くの人に、彼らの努力の結晶が、一生懸命が、届いてほしいと願っています。

番組情報

◆ABUウォーターボーイズ
【H P】https://abuwaterboys.localinfo.jp/

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