#122 真砂"おさんぽ"の村から

2018年2月3日(土)(テレビ朝日 放送) 山陰放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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島根県益田市の真砂地区。人口わずか391人、高齢化率は50%を超えている。典型的な過疎・高齢化が進む農村だ。
この地区を元気にしているのが、村唯一の保育園、真砂保育園(園児数17人)の子どもたち。園児はほとんど毎日、村の中を歩く「おさんぽ」という活動をしている。本田行尚園長(35)が5年前から実践している取り組みだ。

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子どもたちがどこへ行くかは自由。住民の家を訪ねてあいさつしたりおしゃべりしたり、ときにはおにぎりをもって出かけ、お昼ごはんを一緒に食べる。高齢の住民にとって、こうした園児とのふれあいは大きな楽しみ。子どもたちに「元気をもらう」という。

また、園内で調理する給食は、食材の大部分を地元・真砂で調達する。お米・野菜・みそ・豆腐はほとんどすべて真砂産だ。
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そして生産者の多くは、子どもたちが日ごろ「おさんぽ」で出会っている高齢者がほとんど。
子どもたちは地域の中で、支えられ、見守られながら成長しているのだ。

こうした地域に密着した真砂保育園の取り組みは、次第に反響を呼び始めている。「おさんぽ」のスタート以来、真砂の子育て環境に魅力を感じて移住してくる若い家族が増えていて、地区には活気が出始めた。

しかし、保育園には大きな課題がある。それは園児の確保だ。過疎・高齢化が進む真砂では、移住者が来なければ園児が減るのが現実。今年度末には4人が卒園し、経営は厳しさを増す。
番組では「おさんぽ」を中心に、真砂保育園の活動や本田園長の思いを伝える。

編集後記

ディレクター:佐藤 泰正(山陰放送)

今回の舞台は益田市の真砂(まさご)地区です。今でも全世帯が地下水をポンプでくみ上げて生活水として使っているほど水が豊富(真砂に水道はありません!)で自然豊かな農村。みそやとうふ、減農薬の野菜づくりなど地域づくりの取り組みも進んでいます。

しかし中山間地の例にもれず、人口は減少し、公民館やJAのあるメインストリートにも人影がほとんどない状況。この「静かすぎる」真砂を騒がせ、活気づけ、人々に元気を与えているのが真砂保育園の“おさんぽ”です。取材してもっとも驚いたことは、子どもたちの存在がいかに高齢者に元気を与え、生き生きとさせるか、ということ。“おさんぽ”の園児と話す住民の方々は自然に饒舌になり、笑顔になります。

全国の中山間地では今後も過疎・高齢化が急激に進んでいきます。こうした地域をどのように存続させるのか?住民が「ここで暮らしてよかった」と思える地域をどのようにつくるのか?園児と住民のふれあいという何気ない光景は、こうした課題への問題提起でもあり、大きなヒントでもあるような気がします。

番組情報

◆フェイスブックページ「真砂+(まさごぷらす)」
【Facebook】https://www.facebook.com/masagoplus/
◆真砂保育園
【住 所】〒698-0411 島根県益田市波田町イ425
【電 話】0856-26-0106
◆真砂公民館
【住 所】〒698-0411 島根県益田市波田町イ538−1
【電 話】0856-26-0002

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