#115 上手な"助けて"の伝え方 ~ホームレス一座参上

2017年12月9日(土)(テレビ朝日 放送) RKB毎日放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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「生笑一座」の名前は、”生きてさえいれば、いつか笑える日がくる”ということに由来する。
メンバーは、みんなもとホームレス。家族と生き別れになった人や段ボール小屋に放火されて、危うく難を逃れた人も。そんな彼らが一座を組んだ。

メンバーの一人、西原宣幸さん(69)は、ホームレス暦11年。北九州市に生まれ、地元の企業で働き、結婚して子供にも恵まれるが、離婚して一人になり生活が乱れ野宿生活へ。
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アルミ缶を売りながら生活していたが、とうとう、食べるものもなくなり、ホームレス支援を受け、自立。一座の座員となった。
下別府為治さん(73)。生活が荒れた日々の中、自ら死のうとしたが、死にきれず野宿生活へ。今、笑える日がきた自分を振り返り、「助けてと言えた日が助かった日」と子供たちに語り続けている。

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一座の座長は、北九州市のNPO法人「抱樸」の理事長で、牧師の奥田知志さん(54)。長年、ホームレスの支援活動をしてきた。住む家や家族を失った経験があるからこそ、見えてきた、そんな自分を今大切に思ってくれる人たちがいる。生きる意味のない命なんて一つもない・・・自らの経験をもとに、命の大切さ、上手な助けての言い方を伝えたいと立ち上った一座。これまでの公演は80回を変超えた。お呼びがかかれば、日本全国どこへでも。
「生笑一座」の活動を追った。

編集後記

ディレクター:井上八月(RKB毎日放送)

おかげさまで、何十年ぶりかに笑うことができました・・・
西原さんの心からの笑顔がとても印象的でした。住む家をなくし、息子とも生き別れ。人生のどん底を味わい、自暴自棄になっていた西原さんを救ったのは、「助けて」の一言でした。良い方向に助けてくれる人は絶対にいる。「助けて」といえる勇気をもって欲しいと語ってくれた西原さん。生きていたらいつか笑える日がくるまさに、生き証人です。

昔、ホームレスをしていた場所に案内してもらったときのこと。
季節は夏。想像を絶する草むらの奥地で、2、30箇所一度に蚊に刺されながらインタビューしたことが思い出されます。

西原さんは、もう一人ぼっちではありません。一緒に生きる仲間がいます。つらい経験を乗り越えて、今を精一杯生きている「生笑一座」のメンバー。孤独と向き合ってきた彼らだからこそ、その言葉は大きなチカラをもち、心に響くのだと思います。
「生きる意味のない命など一つも無い」自らの経験をもとに命の大切さ、上手な助けての言い方を伝えたいと立ち上った一座。たった一つの言葉を伝えることで救われる命がある。
「助けて」が言えない多くの人に見て欲しい番組です。

番組情報

◆NPO法人 抱樸
【電 話】093-653-0779(法人代表)

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