#106 SAMURAIシルク世界へ! ~ニッポン北限の絹産地の挑戦

2017年10月7日(土)(テレビ朝日 放送) 山形放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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山形県西部、日本海に面した鶴岡市。明治維新後、庄内藩の武士たちが刀を鍬に持ち替えて、産業を興しました。しかし、戦後の合成繊維や安い中国製品との競合で大きな打撃を受け、いまや国内のシルク産業は瀕死の状態。窮地に陥った地域の産業を救う手がかりにと見いだされたのが、絹織物には不向きとされた「キビソ」です。

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繭全体のわずか5%程度しか取れないキビソ独特のハリ感や風合いを生かし、大都市のデザイナーを巻き込んでストールやバッグ、傘など様々な絹製品を制作しています。行政や市民、高校生とともに、さまざまなアイデアで産業を復興させようとする、日本北限の絹生産地の7年間…その取り組みを追う長期密着ドキュメントです。

編集後記

ディレクター:新野 陽祐(山形放送)

取材を始めた当時、私は番組の舞台となった山形県鶴岡支社報道部勤務の27歳でした。ニュースで主人公の大和匡輔社長に出会い、そのあふれる熱意に多くの刺激を受けたことがスタートでした。とにかくまじめで、必要とあらば全国どころか世界を飛び回るバイタリティの持ち主。自分でも「おれは遊びがないとよく言われるんだよ」とぽつり。そんな大和社長の行く先を見続けたいと、カメラを回し続けました。

絹産業に限らず、地方のモノづくりの現場は大変な状況です。番組では描き切れませんでしたが、国や市の補助金を活用してプロジェクトをいかにして長く続けるか、そしてどうやって成長産業に乗せたらいいのか―。試練の連続です。大消費地の首都圏などで売り込んでも、地方からは地理的に遠いというのがネックになります。店頭販売をしても必要経費で利益はトントンという状況だそうです。

番組の最後でも少しだけ紹介しましたが、「世界的な有名ブランドを超える」という目標を持って、最高品質のシルクスカーフを作ろうとしています。どうやって作るの?本当に作れるの?そんな声が聞こえてきそうです。私はまだカメラを回し続けます。「できない」を「できる」に変えたその瞬間をつぶさに見届け、またみなさんに見てもらえるような番組を作っていきたいと思っています。
可能性に挑戦する姿を通して、「自分も何かやってみようかな」と少しでも後押しできたら嬉しいです。

番組情報

◆鶴岡市役所(産地の歴史、市民活動、新文化会館のことなど)
【電 話】0235-25-2111(代表)
◆鶴岡シルク株式会社(商品の販売)
【電 話】0235-29-1607

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