#75 サバの魔法使い~水産加工で八戸を元気に!

2016年12月25日(日)(テレビ朝日放送) 青森放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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全国有数の水揚げ量を誇る青森県八戸市。秋から冬に獲れる「八戸前沖サバ」は脂がのりにのったサバで、青森県が誇るブランドです。しかし東日本大震災で八戸の水産業も大きな被害を受けました。

そんな時、なんとかサバで八戸を元気にできないかと、秋山兼男さん(58)は水産加工会社マルカネを立ち上げました。丁寧な仕事をモットーにしていたマルカネですが、新製品の「焼きとろさば」の身が崩れるというクレームが入ります。

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身崩れを防ぐには、サバの水分を出来るだけ減らさなければいけません。そこで考え出したのが「紙技」。サバの身をキッチン用の紙でくるみ、その上から粉末状の調味料で味付けしようというのです。アイデアは大成功!サバの余分な水分が紙で吸い取られ、調味料だけが浸透した「焼きとろさば」は身崩れがしにくく、会社の売り上げを増やすことが出来ました。

会社が軌道に乗ったのもつかの間、新たな問題が発生します。水揚げされるサバが、年々小さくなってきたのです。サバ一本で勝負している秋山社長、新たな商品開発に乗り出します。小さいサバをミンチにして、地元の農産物と掛け合わせた味噌を作ろうというのです。選んだのはあんずや桃。果たして美味しく出来上がるのか!?

地元の農家さんから直接仕入れたり、製造を就労支援施設に委託したりと奔走する秋山社長は言います。「加工屋は地元にお金を落とすのが役目。加工とは地元の良さを引き出すことだ」。サバに魔法をかけ続ける、社長の姿を追いました。

編集後記

ディレクター:平井和真(青森放送)

青森県はりんご、帆立、イカなど特産物が豊富な土地。三方を海に囲まれ、海産物もたくさん獲れます。その中でブランド確立を目指してきた「八戸前沖サバ」。脂がのり、本当に美味しいんです。

今回取材した合同会社マルカネはそんなサバを加工する会社。震災をきっかけに立ち上げた会社ですが、実は最初、自社工場は無く、他の業者の工場を間借りして商品を製造していました。(工場を建てる資金が無かったため)「作りたいものがあるんだったらうちの工場使え!」という暖かい言葉をかけてくれたそうです。人とのつながりがあって今の会社があったんです。

さらに社長に「会社が大きくなったら県外にも大きな工場を作りますか?」と聞いたところ「どんなに大きくなっても八戸発!」と答えが返ってきました。「会社は、働いている人・地域の人「人のチカラ」がないと上手く回らない」と、社長が地元にこだわっている強い気持ちを感じました。

サバに魔法をかけて、次々とアイデア商品を生み出すマルカネ。社長が次にどんな新商品を考えてくるのか楽しみです。

番組情報

◆合同会社マルカネ
【住 所】青森県八戸市湊高台5丁目5-4
【電 話】0178-32-0196
【営業時間】10:00~18:00(日祝定休)
◆八戸駅前横丁「朝市屋」(マルカネ直売所)
【住 所】青森県八戸市一番町1丁目9-22
【営業時間】10:00~18:00(12/31のみ定休

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