#52 森の恵みを届けます~秋田・27歳 女性社長の挑戦~

2016年7月17日(日)(テレビ朝日放送) 秋田放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

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秋田県の最北端、青森との県境に位置する小坂町。人口5500人ほどの小さな町で、ユニークなビジネスに取り組む女性がいる。
町の人々から”なっちゃん”の愛称で親しまれる、栗山奈津子さん・27歳。

なっちゃんが社長を務める「あきた森の宅配便」では、インターネットを通じて、地元で採れる天然山菜を全国に販売している。
キャッチフレーズは『あなたの代わりに森の名人が希望の山菜を探します』。山菜採りを得意とする地元のお年寄り・30人を”森の名人”に任命し、収穫を依頼する。

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フキノトウ、コシアブラ、シドケにアイコ、そしてタケノコ・・・町の7割を占める森林は、山菜の宝庫。町の人々は、昔からこの”森の恵み”を、貴重な食料として利用してきた。お客さんに届けるのは、地域に根付いた大切な食文化、そのものだ。
県外の会社に就職後、2年前にUターンして新たなビジネスを立ち上げたなっちゃん。大好きなふるさとへの”ある想い”とは・・・。

過疎が進む農村で、若き女性社長と、平均年齢70歳を越えるお年寄りたちが展開する山菜ビジネス。
なっちゃんの挑戦を通じて、地域の力と魅力に迫る。

編集後記

ディレクター:泉 健太郎(秋田放送)

栗山奈津子さん・愛称“なっちゃん”の第一印象は“色白でまつ毛が長くて、控えめな秋田美人”。でも、内に秘めた強い信念は誰にも負けない!そのギャップに、取材スタッフみんながなっちゃんのファンになりました。

秋田市から車で2時間半ほどの小坂町。およそ7割を占める森林に一歩足を踏み入れると・・・ぬかるんだ足元、背丈以上もある茂み、どこまで続くかわからない広大な杉林。実はそこが“宝の山”なんです。
「ほれ、あそこさ『シドケ』あるべ!」「え、どこですか!?」「あれだ、あれ!」「え!!?」・・・
取材中、こんなやりとりを何度繰り返したことでしょう。

なっちゃんが収穫を依頼する『森の名人』にとって、山菜採りはまさにライフワーク。それぞれが得意な山菜と、その山菜が採れる“ヒミツのスポット”をもち、時間があれば山にでかけます。もちろん、山に地図なんてありません。さらに、旬の時期も種類によって様々。3日ほどで旬が過ぎてしまうものもあります。長年の経験と、先人たちから受け継いできた知恵がモノをいう世界です。普段は杖をついて歩くおばあちゃんの、山歩きの早いこと早いこと・・・。

名人たちと会話していると、節々に出てくる言葉
『自分たちはこれしかでぎねんだ。』。
しかし、そこに価値を見出したのがなっちゃんです。

現代の若い人たちにとって当たり前の“インターネット”。地元のお年寄りにとって当たり前の“山菜採り”。なっちゃんが始めたのは、“当たり前のこと”の掛け合わせ。なにも難しいことではありません。「仕事がなかったらつくればいい。」・・・27歳の挑戦が、皆さんのふるさとを改めて見直すきっかけになれば幸いです。

名人ほどではありませんが、今回の取材でだいぶ山菜に詳しくなった私・・・
来年の春は名人の山に、ちょっとお邪魔してみようかな・・・な~んて。

番組情報

◆株式会社 あきた森の宅配便
【電 話】0186-29-3003
【FAX】0186-29-3003
【H P】http://akita-mori.com

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