#9 ねじガール ~魔法の手に憧れて~

2015年6月14日(日)(テレビ朝日放送) 静岡放送制作  協力 文部科学省/独立行政法人 中小企業基盤整備機構

chikara9-5.jpg静岡市清水区の興津螺旋に「ねじガール」と呼ばれる女性がいます。

興津螺旋は年間10億本を製造するステンレスねじのトップメーカー。
チタン合金ボルトや、発電タービンの高熱にも耐えられるインコネルというねじを作っています。
「ねじガール」は生産設備をミリ単位で調整し、高品質なねじを作リ出す職人です。

ねじガールが誕生したのは3年前。
地元大学の外国語学科を卒業した佐野瑠美さん(25)が男性ばかりの現場に飛び込みました。
事務職での採用で、工具を持ったことさえなかった佐野さんですが、
新人研修での現場体験ですっかりねじ作りに魅せられ、製造部への配属を社長に直談判しました。

chikara9-2.jpg慣れない作業に苦労の連続でしたが、今では100分の1ミリの精度にもこだわる職人に。
懐疑的だった周囲の目も、彼女の頑張りを見て変わりました。
会社は工場内にパウダールームや「女子専用」の工具などを用意。
佐野さんに憧れて、次々と新たなねじガールも誕生しています。

 chikara9-3.jpg若い女性社員の情熱が、小さな「革命」を起こしました。
人を、そして会社を動かしたねじガールの奮闘に迫ります。

編集後記

ディレクター:村田 哲久(SBSメディアビジョン)

佐野瑠美さんがねじ作りに〝ハマった〟理由を知りたくて取材を始めました。

大学では外国語を学び、作業経験などなかった彼女がどうしてものづくりの世界に魅せられたのか。生い立ちや職場環境、様々な人との出会い――いくつかの動機が見えてきました。
ただ撮影を進めていく中で、大事なのは始めたキッカケ以上に、日々ねじ作りに励む彼女の姿だと思うようになりました。機械と向き合い、ミクロの世界で戦う彼女の姿はいつも輝いていました。

佐野さんが作るのは、パソコンなど精密機械に使われる超小型のねじです。あなたが今使っているこのパソコンにも、彼女のねじが組み込まれているかもしれません。
どこで頑張るかではなく、どれだけ頑張れるかが重要だと彼女から教えられました。ねじガールの活躍を、これからも追いかけていければと思います。

番組情報

◆興津螺旋株式会社
【電 話】054-369-0111(代表)
【H P】http://www.okitsurasen.co.jp/

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