#63 故郷の逸品 黄金に輝く松輪サバ~漁師の絆をつなぐ伝統の技と心~

2012年9月2日(日)(テレビ朝日 放送) テレビ朝日制作                           協力 文部科学省

神奈川県三浦半島南端の松輪では、たっぷりと脂が乗り黄金色に輝く「松輪サバ」の最盛期です。80歳の父と半年前までプロのミュージシャンだった長男(23)三世代で松輪サバ漁をする鈴木新治さん(50)のこだわりは生食できる鮮度を守ること。サバにとって人の体温は焼け火箸のようなもの、触ると急激に鮮度が落ちるためサバに手を触れない「手返し」という伝統の技で漁に望みます。

素材の良さに加え丁寧な扱いに惚れ込んだ料理人、荏原さんは東京から毎日、2時間かけて直接買い付けに来ます。店の一番人気、松輪サバの刺身は口の中で上質の脂がとろける極上の味わいです。さらにプロが教える「サバの味噌煮」や地元漁協直営レストランの旬の特別料理も必見。今回は豊かな海が育んだ松輪サバをこだわりの技と心で守り続ける人々の姿を追います。


◇ディレクター:鈴木洋之(ユーコム)◇

神奈川県三浦半島、松輪。「こんなに近くに、おいしいブランドサバがあったとは・・・!今まで知らなかったのが、もったいない「松輪サバ」。このサバは、全国的に知れ渡るべきものだと感じ、取材を始めました。松輪サバを広めている漁協直営のエナ・ヴィレッヂにあるレストラン「地魚料理松輪」。
そして、東京、京橋にある「京ばし松輪」。それだけではなく、他にも松輪で獲れた新鮮なサバを扱う店は数多くあります。

エナヴィレッヂの料理人 本田さんは都内の割烹で10年もの間、腕を振るっていましたが漁師になりたいという昔からの夢を捨てきれず松輪に来ました。
その時、漁協の方に漁協のレストランもあるから漁師の勉強もやりながら、レストランも手伝ってみたらと言われたのがきっかけ。実は、本田さんは漁師も、レストランもやろうとしていたそうです。
今では漁協直営のレストランを任されるまでになり、漁の方は、趣味程度に抑えているそう。

また、漁師さんといえば、ぶっきらぼうで、愛想がなくて・・・という勝手な先入観を持ちながらも、取材に訪れましたが、今回松輪サバに関わる人たちは、温厚で人情味に溢れた人たちばかりでした。
中でも、鈴清丸に乗る、新治さんの一家は特に温かいお宅でした。
漁の撮影では、船に同乗させて貰いましたが、波が高くて船が前後左右に激しく揺れ、船酔いになり、こんな事を毎日やっているのか・・と思いました。
しかし、聞いてみると、天候が悪くて漁にあまり出ていない時などは、久しぶりの船に乗ると、いくらベテラン漁師さんといえども、高い波のときは船酔いしてしまう事もあるそうです。

そして、漁で使っていたヤハズや餌を入れるアンドン、仕掛けの針などの道具は実は、全て新治さんの父、清さん(80歳)の手作りによる自慢のものでした。
その話をしてもらってる時に、ちょうどやってきた孫の享平さんも「自分も早くつくり方を覚えなければ」といいます。
何か忘れかけていたものが、ここ松輪には残っているような気がしました。

親、子、孫三世代で伝統を守る、その意思が、松輪では脈々と受け継がれていくのだと確信できた時でした。


◆番組でご紹介した情報◆

■京ばし松輪
【住所】 東京都中央区京橋3丁目6-1秋葉ビルB1
【電話】 03-5524-1280
【営業時間】 11:30~売り切れ次第終了
17:00~21:00(ラストオーダー)
【定休日】 祝日、日曜日

■みうら漁協直営エナ・ヴィレッヂ地魚料理松輪
【住所】 三浦市南下浦町松輪264
【電話】 046-886-1767
【営業時間】 11:00~16:00
【定休日】 火曜日

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