＃３４　絶品！こんにゃく物語～消費量日本一・山形の極意～

今回の主役は「こんにゃく」。いつもは鍋物などのわき役に徹している日本が誇るヘルシー食材です。その消費量日本一（年間の１世帯当たり）は山形市で、東京の実に２．４倍。山形市の家庭では年間約10キロのこんにゃくを食べます。こんにゃく芋の産地でもない山形が、一体なぜトップを長年走り続けているのでしょうか？そこには山形名物・玉こんにゃくの存在と驚きの歴史、そしてこんにゃく職人たちの飽くなき探究心がありました。
玉こんにゃく（通称玉こん）は、直径３センチほどの球状のこんにゃくをダシ醤油で煮込んで団子のように串に刺したもの。山寺や蔵王温泉など山形県内の主な観光地の売店で売られているほか、地域のお祭りや学校の遠足でもみかける、山形県民のいわば”ファストフード”です。

では、なぜ山形でこんにゃくを食べる習慣が広まったのでしょうか？そこには山形の代表的な観光地・山寺の存在がありました。平安時代、山寺・立石寺を開いた慈覚大師（円仁和尚）がこんにゃくを持ち帰り、周辺住民へ広めたと地元では伝承されているのです。

山形県内には全国的にも珍しいこんにゃく料理専門店が複数あり、こんにゃく料理は進化し続けています。上山市の丹野こんにゃくでは、驚くほどバラエティーに富んだこんにゃく懐石料理が楽しめます。伊勢エビ、イカなどのお造り盛り合わせ、焼き鳥など見た目、味ともに本物そっくり。一番のお勧めは、高級中華の象徴「フカヒレ」風のこんにゃく。その驚きの作り方を詳しく紹介します。また、山形市の千歳山こんにゃく店では、伝統の手作り玉こんにゃくやこんにゃくステーキが登場します。
「たかがこんにゃく」というなかれ。山形の人たちがこんにゃく料理に込めた知恵とこだわりに学びます。

◇ディレクター：伊藤　和幸（山形放送）◇
“たかがこんにゃく、されどこんにゃく”。今回はこの言葉に尽きます。
消費量が日本一の山形には、こんにゃくにまつわる小ネタがたくさんありました。原料のこんにゃく芋は山形ではほとんど作られていないのになぜ消費量が多いのか。山形名物・玉こんにゃくの発祥は？そんな疑問をひとつひとつリサーチしていくうちに、山形生まれの私も知らなかった意外な事実がどんどん出てきて、謎解きをしているように楽しく取材を進めることができました。
食べる量が日本一ならこんにゃく料理を作る技術も日本一だと思います。味もなく決まった形もないこんにゃくなので「白いキャンパスに自由に絵を描く画家のような気持ちでこんにゃく料理を創っています」と話してくれた丹野こんにゃくのご主人。その結果が驚きの創作料理につながっています。「こんにゃくは食感が生命だ」と語った千歳山こんにゃく店のご主人が作る玉こんにゃくは、90年間変わらない伝統の味です。消費量日本一を支えているのは、作り手側の”こんにゃく愛”もひとつの要因であることは確かだと感じました。
日本こんにゃく協会によると、全国のこんにゃく消費量は近年、残念ながら減少傾向が続いているそうです。そのひとつの要因は、若い世代がこんにゃくの料理の仕方を知らないことだそうです。山形ならではのこんにゃく料理の”秘技”も盛りこみました。番組をご覧になったみなさんが「今夜は玉こんにゃくを食べてみようかなあ」と思っていただければありがたいです。

◆家族の絆や地域をつなぐ　食の大切さを見つめ直す◆

◆番組でご紹介した情報◆

■「楢下宿　丹野こんにゃく」
【住所】山形県上山市楢下１２３３－２
【電話】０２３－６７４－２３５１
【ＦＡＸ】０２３－６７４－２５１５
【ＨＰ】ホームページ

■「千歳山こんにゃく店」
【住所】山形県山形市松山３－１４－１
【電話・ＦＡＸ】０２３－６２３－６６６９

■「山寺観光協会」
【住所】山形県山形市山寺４４９５－１５
【電話】０２３－６９５－２８１６
【ＦＡＸ】０２３－６９５－２８１０
【ＨＰ】ホームページ

■「ヤマコン食品」
【住所】山形県山形市漆山字梅の木２０１５
【電話】０２３－６８７－２２２３
【ＦＡＸ】０２３－６８６－６１２５
【ＨＰ】ホームページ

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