2011年11月6日(日)(テレビ朝日放送) 福島テレビ制作 協力 文部科学省
福島県会津若松
戊辰戦争ではかなく散った白虎隊で知られる城下町です。歴史と伝統を尊ぶ会津地方には多くの郷土料理があります。中でも祭りや結婚式、正月など人をもてなす時、会津で必ず出される料理があります。
「こづゆ」という具沢山のしょうゆ味の汁物です。「こづゆ」は干したホタテの貝柱で出汁をとり、山の幸と海の幸がふんだんに使われています。その味は東北の地にありながら、驚くことに洗練された薄味です。
山国会津にとって、海の幸は何よりも貴重でした。海の幸を手に入れたいという人々の強い思いが乾物の活用につながり、貝柱を使う料理が生まれました。
会津の多くの家庭では決して安くはない貝柱を常備しています。いつお客様がお越しになっても、おいしいものでおもてなしをしたいという温かい心からです。
「こづゆ」はいただく時に専用の器もあります。会津漆器でつくられたそれらの器も家々で大事に保存されています。
歴史をひもときながら、いにしえのまち会津の風情ある街並みとともに、会津の郷土料理の数々とかつては殿様のごちそうだったという会津の最高のもてなし料理「こづゆ」をご紹介します。
◇ディレクター:鈴木 知加子(福島テレビ)◇
会津のもてなし料理の代表「こづゆ」。会津地方の多くの家庭でつくられますが、それぞれ家庭の味があり、代々うけつがれています。みなさん自分の家の「こづゆ」が一番おいしいと自信をもっています。
鍋の中では単なる具沢山の汁物のこづゆですが、伝統の会津漆器によそわれると、姿をかえ華やかになります。同じ料理とは思えないほどでした。
「こづゆ」のやさしく、ひかえめな味は会津人そのもののような気もしました。
会津の人々は風評被害に負けずにがんばっています。
この番組を通して少しでも会津のふるさとの味に関心をもってもらえたら幸いです。
◆手間隙を惜しまぬことこそ もてなしの心◆
◆食を通して喜びや楽しみを分かち合う◆
■こづゆの作り方■
会津若松市周辺でたべられている「こづゆ」です。地域により家庭により具の種類も味つけも少しづつ異なります。
【材料】
貝柱 2~3個(20g)、 サトイモ 4~5個(400g)
ニンジン 1/2本(150g)、 キクラゲ 8~10枚(10g)
干しシイタケ 1~2個(20g)、 糸コン 1/2~1玉(200g)
豆麩(白玉麩) 1カップ、 青み(季節のもの ワラビ・ホウレンソウなど)少々
だし汁(花かつをで) 5カップ、 酒 大さじ1(15cc)
醤油 大さじ2(30cc) ※(塩はお好みで入れても可)
【下ごしらえ】
■貝柱は一晩1カップの水に浸しておく
■サトイモは小さめに切り、下ゆでしてヌメリをとっておく
■干しシイタケは1カップの水に浸し小さく切る
■キクラゲは水でもどして小さくちぎっておく
■糸コンは湯がいて3cmくらいに切る
■豆麩は水に10分位ひたしてもどし、軽く絞って水気を切る
■水6カップを沸騰させて花かつを1つかみを入れて5分ほど煮たてザルで
こしてだし汁を作る
【作り方】
①鍋にだし汁、ほぐした貝柱と貝柱の戻し汁、シイタケの戻し汁(少し)を入れて
煮立てる
②シイタケ、キクラゲ、ニンジン、糸コンを入れ、ニンジンが9分通りやわらかくなったら、サトイモを入れる
③酒、醤油(塩)で味をつける
④豆麩を入れて一煮立ちさせて出来上がり
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