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2011年10月30日(日)(テレビ朝日放送) 北海道放送制作 協力 文部科学省
函館は幕末に開港した歴史ある港町。明治18年、開業を間近に控えたある料理店が「南京そば、十五銭」と広告に掲載した。その日付は東京や横浜の記録よりも古く、「日本最古のラーメン」という説さえある。コンブの買い付けのため函館に住み着いた華僑が伝えたとされる塩ラーメンは、シンプルだが、奥が深い。開店前から行列ができる店は、昔ながらの作り方を頑なに守っていた。寿司職人でありながらラーメン界に旋風を巻き起こす人もいる。味の秘密は彼の兄が持ってくるある食材にあった。
バスに乗ってラーメンの移動販売を続ける夫婦もいた。34年の歩みは山あり谷ありの暗夜行路だった。ラーメン界の「伝説」と呼ばれる職人が、マンガに描かれたこともある自らのラーメン人生を語った。彼の打つ麺には斬新な発想が、そしてスープには感動の友情物語が秘められていた。文明開化の時代、ハイカラ好きな函館の人たちが広めた塩ラーメン、その魅力と創意工夫を学ぶ。
◇ディレクター:杉原 薫(北海道放送)◇
「北海道の三大ラーメン」として、札幌のミソ、旭川の醤油と並び称されるのが、函館の塩ラーメンです。真っ直ぐな細麺と透明なスープが特徴で、ミソや醤油に比べてインパクトこそ劣りますが、何倍でも食べたくなる優しい味がします。塩、と謳っているのに、他の味より一般的に塩分は少なめで、高齢社会にもマッチする味かもしれません。作る側にとっては、シンプルなだけに誤魔化しがきかない難しい味だそうです。職人の方たちを取材してみると、皆さん、創意工夫とサービス精神に溢れていました。素材のうまみを生かすスシ職人の技、ラーメンの移動販売をする60代夫婦の地元密着の姿勢、伝説と呼ばれるラーメン店の味への探究心。皆さんに共通するのは、函館愛、です。函館の人たちに美味しいラーメンを提供する喜びと誇りが伝わってきました。裏を返せば、食べる側の存在が、函館ラーメンの味を育て守ってきたとも言えます。あっさりした中にある意外な深みは、人と郷土を思う気持ちから来るのかもしれない、取材しながらそんな感慨に浸りました。
◆食文化を守るのは 作る側だけではない◆
◆食べる側の協力があって 受け継がれていく◆
◆番組でご紹介した情報◆
■「星龍軒」
【住所】〒040-0063 函館市若松町7-3
■「あじさい本店」
【住所】〒040-0001 函館市五稜郭町29-22
【電話】0138-51-8373
■「函館麺や一文字 総本店」
【住所】〒042-0932 函館市湯川町2丁目1-3
【電話】0138-57-8934
■「鮨処木はら」
【住所】〒042-0932 函館市湯川町2丁目1-2
【電話】0138-57-8825
■「レストラン 五島軒」
【住所】〒040-0053 函館市末広町4-5
【電話】0138-23-1106
■「マメさん」
【住所】〒040-0053 函館市末広町12-3
【電話】0138-27-8811
■「らーめん家本舗ずん・どう湯川店本店」
(「揚げネギ」の店)
【住所】〒042‐0932 函館市湯川町1丁目27-1
【電話】0138-59-0044
■「元祖バスラーメン」
夜9時ごろ(基本的に毎晩)、湯の川温泉の汐見橋付近にある専用駐車スペースで営業中
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