＃１０　讃岐うどんに学ぶ　～たかがうどん、されどうどん～

弘法大師・空海が留学先の唐（中国）から持ち帰ったのがその起源とされる香川県の郷土料理、讃岐うどん。香川県はうどんの生産量、消費量ともに日本一です。現在、香川県には８００軒を超える讃岐うどん店があるといわれています。小麦、塩、水というたった３つの材料から生まれる「讃岐うどん」。うどん職人さんに「シンプルゆえに奥が深い」と言わしめるほど、とっても不思議な食べ物なのです。同じ顔を二度と見せることのないという生き物のようなうどんに、日々向き合う職人たち。また香川県には「何ぞ事にはうどん」という言葉があるほど、正月から大晦日まであらゆる行事でうどんか食べられていました。古くから生活に密接した「食物」であり、「食文化」である讃岐うどん。そこには、家族、地域、社会を結ぶ絆の「糸」としての役割もありました。空海の時代から綿々と続くうどん王国・讃岐の食文化に学びます。

◇ディレクター：松村　文彦（西日本放送）◇
番組にもご出演いただいた讃岐うどんを作って５０年になるさぬき麺業・香川政明さん（６４歳）が興味深いことを語ってくれました。「今香川県には８５０軒くらいの讃岐うどんのお店があるけれど、それと同じ数だけ讃岐うどんの作り方は存在するんです。だから私の作り方も８５０分の１なんですよ。」と。小麦・水・塩だけから生まれる讃岐うどん。日々、讃岐うどんと向き合い、自然を肌で感じながら生み出された技法は、微妙にお店ごとに異なります。水の量、塩加減、熟成のさせ方、ダシのとり方・・・。しかしながら、不思議と職人さんたちが口を揃えて言った言葉があります。それは「作り手の想いがうどんに伝わる」ということ。「美味しいうどんになってほしい。お客さんを笑顔にさせたい」と念じながら職人さん達は、毎日うどんを打っています。たった一杯２００円前後のうどんに込められたものの重さを改めて実感するとともに「食への感謝」を実感した今回の取材でした。

◆おいしく食べてくれる人の事を想って作る◆

◆家庭や地域社会で絆を深めたり　友情を深めるためのうどん◆

■ダシをとった素材の再利用レシピ■

＜ふりかけ＞～土佐醤油作りでダシをとったあとのかつお節を使ったふりかけ～
【材料】
ダシをとった後のかつお節、青のり、白ゴマ、米ぬか、小エビ、塩
【作り方】
①ダシをとった後のかつお節を天日干し
②鍋でかつお節を焦げ付かないように炒る→途中、火を止めたりしながらすれば焦げにくくなります。
③炒ったかつお節を振るいにかけ、他の材料と混ぜ合わせて出来上がり。

＜昆布の佃煮＞
【材料】
ダシをとった後の昆布
水、醤油（適量）、砂糖（適量）、酢（少々）
【作り方】
①昆布を細切りに
②昆布などの材料を鍋に入れる。水は鍋にひたひた程度。
③煮詰めていく
④水分が少なくなってきたら、鍋の端に昆布を寄せ、中央にたまった煮汁を昆布にかけ流し、さらに煮詰めればできあがり。

◆番組でご紹介した情報◆

■八十八庵（やそばあん・大窪寺門前のお店）
【住所】香川県さぬき市多和兼割９３－１
【電話】０８７９－５６－２１６０
八十八庵HP

 

■さぬき麺業（香川政明さんのお店）
【住所】香川県高松市松並町９３３－１
【電話】０８７－８６７－７８９３
さぬき麺業HP

■池上製麺所（池上瑠美子さんのお店）
【住所】香川県高松市香川町川東下字高須899-1
【電話】０８７－８７９－２２０４

■本格手打　もり家（森田真司さんのお店）
【住所】香川県高松市香川町川内原１５７５－１
【電話】電話０８７－８７９－８８１５
本格手打もり家HP

■山越うどん（かまたまうどんのお店）
【住所】香川県綾歌郡綾川町羽床上６０２－２
【電話】０８７－８７８－０４２０
山越うどんHP

■宮川製麺所（イリコだしのお店）
【住所】香川県善通寺市中村町１丁目１−２０
【電話】０８７７―６２―１２２９

■たも屋　林店（イリコ・シイタケでダシをとるお店）
【住所】香川県高松市林町6-38
【電話】０８７－８１６－０８８８
たも屋ＨＰ

■明水亭（新メニューの店）
【住所】香川県丸亀市垂水町９５６－２
【電話】０８７７－２８－９９８１

■福井工作所（讃岐うどん用機械メーカー）
【住所】香川県坂出市府中町５３７７−１
【電話】０８７７－４８－０７０３
福井工作所ＨＰ