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2011年4月24日(日)(テレビ朝日放送) 福井放送制作 協力 文部科学省
福井県の山あいに立つ大本山永平寺。今から760年前の1244年、道元禅師によって開かれた修行道場です。道元は「食」を重要な修行ととらえ、食事を作ること、食べることを真剣に行うことが仏道を求める心だと説きました。食を任されているのが「典座(てんぞ)」という役職の僧です。永平寺の食事作りは典座(てんぞ)を中心に、修行僧が心を尽くして行っています。心のこもった食事をいただくことは愛情をいただくこと。食事を見つめなおすことは自分の命や人生を見つめなおすこと。永平寺の食に学ぶスペシャル企画の後編です。
後編では食と人間関係のつながりに迫ります。永平寺の開祖、道元が料理に欠かせない心として説いたのは「三徳六味(さんとくろくみ)」。永平寺の典座、三好良久さん(63歳)はこの「三徳六味」を大切に、包丁を握ります。三徳とは「軽(きょう)軟(なん)=あっさりと柔らかいこと」「浄(じょう)潔(けつ)=きれいで清潔」「如法作(にょほうさ)=法にかなった調理がされていること」。つまり、三徳とは心を込めて調理すること。そして六味とは、「苦(く)・酸(さん)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)・淡(たん)」。道元はこの6つの味をうまく調和させようと心を尽くすことが精進料理の心だと説きました。実は、この6つの味の中で「淡=淡い味」が現代の食卓から消えようとしています。淡い味が無くなることは、人間の感情にも、人との関係の結び方にも、大きな影響を与えると言います。永平寺では、食事をすることも尊い修行。命ある食材で作られる大切な食事に感謝を込めた作法でいただきます。後編では食にとどまらない、人の生き方に通じる大切な教えを取材、命をいただく作法に迫ります。さらに、三好典座が挑戦している新しい食材を使った精進料理も紹介します。
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◇ディレクター:岩本千尋(福井放送)◇
永平寺布教部 西田正法さんの法話で、とても印象に残った話があります。現代の高校生100人に対し、
次のようなアンケートをとったそうです。
*次の①~③であなたが一番美味しいと思う“きんぴらごぼう”はどれですか。
①一流シェフが作ったきんぴらごぼう
②惣菜店のきんぴらごぼう
③お母さんが作ったきんぴらごぼう
すると、ほとんどの高校生が「②惣菜店のきんぴらごぼうがおいしい」と答えたとか。食事をいただくことは愛情をいただくこと。愛情のこもった食事をいただくことで、子どもの中に人の命を尊ぶ心が育つ。西田さんの話を聞いて、私も一人の母親として、手間をかけ心をかけて日々の食事を作っていこうと強く思いました。さて、今回は、永平寺の食を司る典座(てんぞ) 三好良(りょう)久(きゅう)さんにアボカドを使った精進料理を紹介していただきました。どれも美味しかったのですが、ゆでた干ししいたけとアボカドのサラダがお勧めです!厚めにスライスした干ししいたけとアボカドをワサビ醤油でいただく…絶妙な味のハーモニーでした。
◆食の作法は 命を見つめなおす形◆
◆人は命をいただいて 生きている◆
~アボカドを使った精進レシピ~
■温野菜のアボカドあえ■
【材料】
アボカド、ブロッコリー、レンコン、カブ、カボチャ、ニンジンなど好きな野菜、
レモン、淡口醤油、ワサビ、塩
【作り方】
①アボカドの皮をむいて、身だけすり鉢に入れ、よくする。
②レモンの絞り汁、淡口醤油、練ったワサビを入れ、ペースト状にして味を調える。
③野菜は一口大に切って塩茹でし、2のアボカドソースであえる。
■アボカドと干ししいたけのサラダ■
【材料】
アボカド、干ししいたけ、大根
【作り方】
①アボカドは食べやすい大きさに切る。
②干ししいたけは水で戻し、ゆで、1センチ幅にスライスする。
③好みで大根の千切りをつけ、ワサビ醤油でいただく。
■アボカドの天ぷら■
【材料】
アボカド、天ぷら粉
【作り方】
①アボカドを適当な大きさに切って皮をむく。
②水溶き天ぷら粉をつけて、170℃の油で揚げる。
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