2011年1月29日(土)(テレビ朝日OA) 山形放送制作
人が生きていくためには、食べものが欠かせません。食べるという行為のかげには、動物や植物の命をいだだいている現実がありますが、普段あまり意識することはありません。
蔵王連峰のふもとで牧場を営み、酪農体験教育の受け皿となっている蔵王教育ファームを主宰する山川喜市さん(62)。牛やヤギ、ニワトリなどを飼育する牧場を「食といのち」を学ぶ教育ファームとして開放しています。
「命のある動物を売り買いし、次の命を育て、また売り買いする自分は、悪い酪農家です」とあえて自称する山川さん。山川さんは、酪農体験をする中・高生に「ニワトリをと畜して、その肉でカレーライスを作り食べてみませんか?」と呼びかけます。
生徒たちは、ウシの乳搾りやヤギやニワトリなどへの餌やりなど動物とのふれあい体験をしながら、自分たち手でニワトリを絞めるどうか・・心が揺れ動きます。
生命産業である酪農の特性を生かし、地域や学校と連携し「食の教育・いのちの教育」の大切さを訴え続ける酪農家・山川喜市さん(62)の人間力に迫ります。
◆命と向き合う酪農体験には…
◆子どもたちを変える パワーを秘めている
◆強くて優しいから 思いやることができる
◆命をいただき それを 受け継いで生かされている
◇ディレクター:松浦正登◇
今回の取材で特に印象に残っていることがあります。
主人公の山川さんの講演のなかにも出てきますが、ウシなどの家畜が生れて食肉になるまでの命の長さです。「ウシは3年、ブタは6ヶ月、ニワトリは60日、これが人間からもらった家畜の命の長さです。柔らかい肉を食べたい・・という消費者の希望が、家畜の命の長さを縮めています」という話です。
番組の取材で高校生たちに同行し、畜産公社を見学した際、まだ生後6ヶ月の子ブタが解体され、肉になっていくプロセスを目の当たりにしました。電極を当て気絶させられ、解体される間際に発するブタの悲鳴にも似た鳴き声は、いまも鮮明に私の耳の奥に聞こえています。
また番組のなかで、ニワトリとウサギをと畜してカレーライスにして食べるシーンがあります。不特定多数の視聴者が見るテレビにあって、残酷な場面だ・・という印象を与えないよう・・かつまた「食のかげには動物の死がある」という現実をどうやって盛り込むかに心を砕きました。それにしても正味26分の番組に仕上げるのは、何回やっても至難の業です。
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