2010年10月23日(土)(テレビ朝日OA) 青森放送制作
弘前市の藤田栄一さん(64歳)は、高校の地学教師として長い間、天文を教えてきた。そのかたわら、地域のサークル「子ども天文クラブ」で子どもたちに星空を教え続けてきた。高校を退職した後も、郊外にある天文台に勤め、子どもたちの観察会を指導している。自宅には小さな天文台も作った。観察会での藤田さんの説明は明るく軽やか。用意する自作の教材は楽しい発想に溢れている。日本の町々が無駄な光に溢れていることを憂え、「星見ランド」をふやしたいと考えている。そんな星先生の星パワーに迫る。
◆見せてもらうのではなく、自分で見る
◆夜、晴れたから望遠鏡を出すのではもう遅い
◆自分で工夫するように。待っていては何もわからない
◇ディレクター:藤田 晴央◇
取材を始めた頃、国際宇宙ステーションが話題になり、続いて小惑星イトカワとはやぶさが話題を呼び、時ならぬ天体ブームの中での制作となった。そして主人公は、40年以上も星空を子どもたちに教え続けてきた人。星空をどのような心で、子どもたちに教えているのか、興味があった。観察会の準備に時間がかかること。模型作りなどを熱心に行っていること。子どもたちに観察させるときの工夫がなされていること。総じて、子どもたちに情熱をもって語りかけている姿に、気づかされる日々であった。そうした現在を支えているのが四十二年に及ぶ「星先生」の人生であることを改めて知った。長く勤務した高校の地学室の壁にいまだに「栄一先生ありがとう」の張り紙がはがされずにあることに、胸が熱くなった。
ただ、主人公は完璧な人間ではない。のめりこみすぎてまわりが見えなくなったり、そそっかしかったり、欠点も多い。そうした欠点があってこその「人間力」なんだということを描いたつもり。ラストの「星を見て、自分たちの存在が大きな広がりの中にあるということに気づいてゆく」というのは、当初の企画立案のねらいであった。こう言ってくださいとは頼んでいなかった。取材をすすめているうちに、自然にこぼれた最後の言葉だった。
星空観察は暗くてカメラには写らず、プラネタリウムは当然ながら照明禁止という中で、なんとか、撮影をやりおおせた。これも、主人公および、弘前市立中央公民館のスタッフ、そして、子どもとそのお母さんたちの協力のおかげだ。星がせっかく見えているとき、横で照明をつけたりして、ごめんね。
皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。
お寄せいただいたコメントにはすべて目を通しておりますが、必ずしも掲載されるものではございませんのでご了承ください。
なお、企画提案、商品宣伝、イベント告知等に関する投稿は固くお断り申し上げます。
※ 記入欄に、お住まい(都道府県)もご記入いただければ幸いです(任意)