2010年1月30日(土)(テレビ朝日OA) 南日本放送制作
鹿児島市に鹿児島商業高校の相撲部員を預かる下宿がある。佐田詔八郎さん
(65)、和代さん夫婦が営む「佐田下宿」には、奄美大島などから高校生が親元を離れてやってくる。佐田さん夫婦は、高校生にとって親のような存在だ。食事の後の皿洗いに、掃除、洗濯、下宿生は、ここで生活の基本を学ぶ。佐田さんは「今は厳しい親父と思われてもいい!あの下宿でよかったと思ってほしい」と言う。それは、彼らの、この先の人生を見据えているからだ。 下宿を始めて32年、預かった生徒は、およそ180名。卒業生は、様々な人生を歩んでいる。佐田さんが下宿生に願うのは、「自分の道を拓いていってほしい」ということ。高校3年間は人生の大事な通過点、だからこそ、この下宿にいる間に、「人生を歩める強さ」を学んでほしいと思っているのだ。彼らの心を鍛えようとする佐田さんの姿と、その思いに迫る。
◇ディレクター:青谷美穂◇
佐田さんに初めて出会ったのは2年前。人を包みこむ優しい笑顔、下宿生に語りかける言葉に、思わずひきつけられ取材を始めることになりました。佐田さんが語る言葉には、ひとつひとつ重みがあります。「インターハイに負けたからって一生不幸か?そうじゃないですもんね。負けた後、どう頑張るか、これが大事ですもんね」と語ったことがあります。相撲部員たちにとって、インターハイがすべて。だから、負けたときは目の前は真っ暗です。でも佐田さんの一言は、真っ暗な心に「ぽっ」と光を灯してくれるように感じました。下宿生を思うあたたかい気持ちが、言葉に表れるのだと思います。下宿生とともに一喜一憂してきた、32年・・、下宿の第一期生は今や高校生の親となっています。その方がこんなことをおっしゃていました。「今ね、気がつくと、おじさんに言われたことを息子に言ってるんですよ。特に言われてイヤだったことをね」と・・・。佐田さんの思いは、次の世代へとつながっています。季節はめぐり、またインターハイの季節がやってきます。相撲部員たちは今、インターハイ出場をかけ稽古に励んでいます。今年の夏、佐田さんの喜ぶ顔を見たいものです。
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