其の66 お腹の赤ちゃんを守りたい!~長良医療センターが変えてきたもの~

2009年10月10日(土)(テレビ朝日OA) メ~テレ制作


「お腹の赤ちゃんを守れ」と、全国でも数少ない産科の先進医療に取り組んでいる病院があります。岐阜県にある「国立病院機構 長良医療センター」です。過酷な労働環境や医療訴訟の危険性から産婦人科医の不足が社会問題となっているなか、ここでは病院の主旨に賛同する医師や看護師が集まり、多くのお母さんたちの信頼を得ています。リスクの高い出産を控えた妊婦が多い中、産科医長川鰭市郎さん(54歳)らは、癒しと笑いをモットーに治療をしています。病院という枠を越え、お母さん達の「集いの場」となっている長良医療センター。中には生まれつきの病気が原因で、わずかの日数で亡くなる幼い命もあります。しかし医療訴訟はゼロといいます。その秘訣は、「お腹の赤ちゃんの病気について情報をきちんと伝える。隠し事をしない」「家族に寄り添う」です。川鰭医師を中心とした医師や看護士と出産を控えた家族との交流を追い、命について考えます。



◇ディレクター:小川真紀◇
とにかく「明るい!」いつも笑い声が絶えない病院でした。
長良医療センターで入院されているお母さんはハイリスクな妊婦さんばかり。
しかし、それを感じさせない明るさがありました。皆「出産は病気ではないから」と前向きです。「感情のある先生だから」「最初は不安に感じていたけど、ここにいると安心」「生まれるだけのところじゃない」等の声を多く聞きました。
明るい雰囲気は一人では作ることが出来ません
川鰭先生を始めとした全ての医師によって、このような環境が自然と出来上がって言ったのです。
例えばクリスマス回診。川鰭先生が提案するだけでなく、自ら率先してお母さん達のベッドを回る。楽しいことに取り組む先生の姿勢が自ずと他の医師を引っ張っているのだと思います。
「ハイテクなことをやっているからこそ、アナログな部分を大切にしなければならない」と川鰭先生は言います。だからこそ、サンタの衣装やプレゼントは敢えて手作り。看護師さんたちが心を込めて作っています。ここでもチームワークは生かされているのです。ハイテクな「先端医療」だけではなく、「人の心」が通っていてこそ、本当の意味での治療なのだと感じました。
番組の取材を通して、命の重さ、生命の誕生の喜び、親子の絆を改めて感じることが出来ました。



川鰭先生を取材していると、多くの人が先生を訪ねてやってきます。双子の赤ちゃんを出産したお母さん、兵後さん。

川鰭先生に手術をしてもらった赤ちゃんは、もう1歳3ヶ月。こんなに大きくなりました。
「あの時があったからこそ、今があるんだなっていうのを感じます。」

お母さん達が言うように、ここは“病院”という枠を超えた集いの場となっています。
出産という同じ目標に向かって頑張り、一緒に乗り越えて行く。夫婦や親子の絆が深まる場所なのです。
どんな事でも明るく前向きに考える。そうすれば周りの人もニコニコ出来る事を先生から学びました。
◆みんながニコニコ過ごせるように◆

国立病院機構長良医療センター産科長・日本胎児治療学会会長長川鰭市郎医師

独立行政法人 国立病院機構 長良医療センター 〒502-8558 岐阜市長良1300-7
TEL: 058-232-7755

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