其の62 義足を翼に変えて

2009年9月12日(土)(テレビ朝日OA) 山梨放送制作

北京パラリンピックで日本チームの旗手を務めた義足のハイジャンパー鈴木徹さん(29歳)。ハンドボールの選手として国体にも出場し将来を嘱望されていた鈴木さんは、高校卒業を目前にして自動車事故で右足膝下を失ってしまいました。しかし、義肢装具士や後に妻となる看護師麻美さんなど多くの人たちの支え、そして新たな夢(走り高跳びで世界一になる)との出会いが鈴木さんを失意の中から立ち直らせました。現在鈴木さんは、陸上競技大会に出場する傍ら、積極的に講演活動も行っています。若者たちに「将来へ希望を持ってほしい」という思いから始まったこの講演活動は、一方で、自分を支えてくれ人たちへの恩返しでもあります。今も人間的に成長を続ける鈴木さん、そんな鈴木さんの魅力とハンディキャップを乗り越えた強さの根源に迫ります。



◇ディレクター:乙黒 健◇
鈴木さんに初めて会ったのは、2008年夏。炎天下のグランドでした。
北京パラリンピックに向け一人黙々と汗を流すストイックな姿に、胸を打たれたことを思い出します。
右足切断という苦難を乗り越え、人間的に成長を続ける鈴木さん。その強さがどこから来るのか、最初私たちは分かりませんでした。
それが、周囲の人たちの支えの中から生まれてきたことを、取材を重ねていく内に気付かされました。

鈴木さんは講演など折にふれ、こんな言葉で自身の心境を語ります。
「失ったのは足だけ、得たものの方がはるかに多い」
今後さらに活躍の場を広げていく鈴木さん。その活躍を、一人のファンとして応援していきたいと思います。



ハンドボール選手として将来を期待されていた鈴木さんを襲った突然の事故。
しかし、事故は鈴木さんにとって単に不幸な出来事ではありませんでした。
◆強さとは自分の弱さを隠さないこと◆
それまで苦しみや不安を、表に出すことがなかった鈴木さんは、事故をきっかけに素直な気持ちを伝えられるようになったと言います。
◆今の自分を超えたい◆
アスリートとして、今の自分を少しでも超えたいと、挑戦を続ける鈴木さん。
◆コンプレックスはあっていい◆
その合間をぬって、若者にありのままの自分で頑張ってほしいと訴えかけます。
◆恩返し◆
そうした活動は全て、支えてくれた人たちへの「恩返し」という夢にも繋がっています。人間としての高みに羽ばたいていく鈴木さんを、これからも応援し続けたいと思います。

鈴木徹さんのHP
Toru’s Web 義足のハイジャンパー (講演問い合わせ・メッセージなど)財団法人 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター
〒116-0003 東京都荒川区南千住4-3-3
TEL: 03-5615-3313 (代表)
FAX: 03-3891-3293

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