其の32　生かされてるから活かすんだ

燃料高騰で脚光を浴びるバイオ燃料。なかでも、食糧価格の高騰を引き起こさない「使用済みてんぷら油」を原料とするバイオ燃料は、バイオ燃料の中でも優等生です。しかし、和歌山のあるまちでバイオ燃料の取り組みが始まったのは、燃料高騰ではなく、あるひとりの男性が病に倒れたことがきっかけでした。若いころは、金儲けしか頭になかったという運送会社の社長、倉谷修治さん（53歳）。「もし、生き返ることが出来たら、人のため社会に役立つ人間になろう」従来と180度転換した考え方が、彼の行動に大きな変化をもたらしました。バイオ燃料はもとより、障害者に雇用と賃金を確保したり、「使用済みてんぷら油」集めに協力してくれた小学校に車いすを送ったり･･･彼に期待する人たちが持ち寄るアイデアを、あっという間に実現していく倉谷さん。彼の視線は、増え続ける遊休農地と、リタイアして働き場のない高齢者の生きがいづくりにも向いていて、とどまるところを知りません。

若い頃は道端の小石を見ても何かお金にならないかと考えていたという倉谷修治さん。その考え方は脳梗塞で倒れてから大きく変わりました。
◆生かされたんだから　社会のため役立ちたい◆
病を克服した倉谷さんは、生かされたんだから　社会のために役立ちたいと、使用済みてんぷら油を集めて、バイオ燃料を作る取り組みを始めます。その仕事を任せたのは障害を持つ人たち。
◆信頼して任せる事が自信と希望を与える◆
信頼して任せることが彼らに自信と希望を与えることに気づきました。
◆やりたい事はいっぱいある　でも、出来る事から一つ一つ・・・◆
運送会社の社長を務める倉谷さん、実業家らしく、アイデアはいっぱい！でも、できることから一つ一つ。奥さんとの二人三脚で実現しようとしています。
◆夢…地球にやさしく　未来のために◆
地球にやさしく　未来のために。夢はまだまだ広がります。
◇ナビゲーター：田中花子(朝日放送アナウンサー)◇