2008年10月25日(土)(テレビ朝日OA) 青森放送制作
北国青森の海にサンゴがいます。「ムツサンゴ」は約70年前に青森県の陸奥湾で発見されたことからその名が付きました。氷河期の時代から、寒い海でも適応できるように、進化していった「北国のサンゴ」です。水深2m程の所を潜ってみると、直径5mmの「ムツサンゴ」がまるで花畑ように広がっています。五十嵐健志さん(46歳)は長年サンゴの研究に携り、ムツサンゴに魅せられた一人。現在は、シュノーケリングによる海の生物の生態観察を通じて、子どもたちに自然の素晴らしさを教えています。五十嵐さんが開く「自然ふれあい楽校」は、陸奥湾の生き物を観察します。子供たちは生き物を捕まえ、観察します。五十嵐さんは、その場で何の生き物か教えず、その生き物の特徴をとらえ、自分で調べて、学ばせています。それは、インターネットで簡単に物事を知る事ができる昨今、体と五感を使って学習する「科学する心」を五十嵐さんは伝えようとしているからです。
五十嵐さんの自然ふれあい楽校は、ムツサンゴが見つかった、ここ陸奥湾を舞台に行われています。
◆五感を使って学ぶ 科学する心◆
海の生き物を観察する自然ふれあい学校。インターネットなどで、目と指先を使って、簡単に調べるのではなく、体と五感を使って学ぶ「科学する心」を、五十嵐さんは伝えています。
◆意思がある所に道がある◆
意思がある所に道がある。その道は決して楽なことばかりではありませんでしたが、
◆細く長く続けること◆
多くの人に支えられながら、細く長く前へ進んできました。
◆夢…またこの海で一緒に潜りたい◆
将来、子どもたちが大人になったら、またこの海で一緒に潜りたい。そんな日が来ることを、五十嵐さんは待ち望んでいます。
◇ナビゲーター:秋山博子(青森放送アナウンサー)◇
◇ディレクター:青森放送 船水丈史◇
青森に住むほとんどの人が、陸奥湾にサンゴがいることは知らなかったでしょう。私もその一人です。南国のサンゴ礁のイメージがあったので、最初に本物を見た時「これがサンゴ?」と思ってしまいました。しかし、クラゲとイソギンチャクとサンゴが親戚関係だと知り、さらに驚かされ、サンゴの世界に一歩足を踏み入れたのです。陸奥湾は養殖ホタテの産地として有名なのですが、陸奥湾に対するイメージが変わりました。透き通る海と、そこに住む生き物たち。私たちの海は、美しく、神秘的なものだと感じさせられました。ムツサンゴがいる場所は深さ2メートル程。私も海の中のムツサンゴを見にチャレンジしたのですが、うねりが強く、岩の上に立っていられない程でした。正直、ムツサンゴを見ることは、そんなに簡単なことではないのです。子供たちがムツサンゴを見ることができたのは、五十嵐さんの強い思いが、願いを叶えさせたとだと思います。青森はこれから厳しい冬がやってきます。冷たい海の中でじっと寒さに耐えて、元気な姿をまた見せてくれることを、今から楽しみにしています。
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